行き場のなかった野良猫がヨットの船長となった。そしてもう1匹、同じ境遇だった子猫が船員に加わる。

1月7日(月)11時30分 カラパイア

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 大抵の猫は水を好まない。だが、猫が好まないのは「水」であって「船」ではない。なので、水中はともかく、船上で暮らしている猫というのは存在するのである。

 特に多指症の猫は、「幸運を捕まえる」として、帆船の時代から、縁起を担ぐ船乗りたちに愛され、船上で飼われていたそうだ(該当記事)。

 そしてここにも、人間のカップルと一緒にヨットで暮らす二匹の猫がいる。お互いにそっくりだが、きょうだいではない。生まれた国も違う。

 共通しているのは、行き場がなかったところを保護された、という点なのだ。
・下水道の中で保護された迷える子猫

 子猫のジソーは、ドミニカ共和国のエル・ハビリャル出身だ。数ヶ月前に、下水道の中で鳴いていたのを、ボランティアで英語を教えていた教師たちに保護されたのである。

 だが、教師たちは子猫を助けることはできたものの、飼ってくれる家庭を見つけることはできずにいた。生後わずか数週間の子猫にとって、それは死活問題だったのである。

 子猫の苦境は、カッチとジョナサンのハウ夫妻の耳に入った。夫妻はヨットで世界中を回っているのだが、ちょうどドミニカ共和国に寄港していたのである。

 子猫に引き合わされたハウ夫妻は、自分たちで飼うことに決めた。ヨットには既に猫が一匹乗っていたが、もう一匹飼うことを検討していたところだったのである。そして、子猫には他に引き取り手の候補もなかった。

 だが、一番の理由は、このジンジャー色の子猫が、先住猫「エイハブ船長」の子猫時代にそっくりだったということだろう。



・フロリダキーズから来たエイハブ船長

 エイハブ船長は、さらに数ヶ月前にアメリカ、フロリダキーズのシェルターから引き取った猫である。2017年の末頃、夫妻は来る日も来る日も二人きりで新たな仲間を欲していた。

 ちょうどその頃、隣のブイに停泊した船には、チコという名の大きな猫が乗っていたのである。夫妻はこの猫に心を奪われた。

 猫は昔から船の守り神と言われてきた。猫は船に侵入したネズミを退治してくれるし、天気の予知する能力があるとも言われていた。昔は世界のほとんどの国の船が猫を乗船させていたのだ更に猫は船員たちの心も癒してくれる船のマスコット的存在だった。

 夫妻は動物虐待防止協会に出向き、その年の夏の終わりに襲ってきたハリケーン・イルマの後に保護されたというオレンジ色の子猫を引き取った。

 ハリケーンの際に失ったのか、子猫の尻尾は普通よりも短い。だがそれでも、とても可愛らしい子猫だった。

 この子猫はエイハブ船長と名付けられ、すくすくと育ち、現在に至る。

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image credit: MRANDMRSHOWE.COM

・毛色が一緒な2匹はすぐにベストフレンドに

 さて、ドミニカ共和国で乗船したジソーの方はというと・・・

 カッチさんの言葉によると「とても可愛らしく、人間との相互作用を必要としていました。けれども、まだ小さく弱っていたのです」

 ハウ夫妻はジソーを風呂に入れて清潔にし、その他、必要なケアを施した。子猫の方も、状況をわかっているのか、文句も言わず耐えていた。



 そして、いよいよ健康が回復したジソーをエイハブ船長に会わせたところ、子猫は一目で「おにいちゃん」が大好きになった。

 どこにでもついて歩き、あげくの果てにはよじ登る。おにいちゃんは自分と体毛の色が一緒だし、ずっと1匹でさ迷っていたジソーに初めてできた猫フレンズだ。



 エイハブ船長の方は、自分の小さい頃にそっくりなこの子猫をどう扱っていいか決めかねている様子だったが、翌日には受け入れることに決めたようで、子猫の身体を舐め、世話をしてやっているところが目撃された。




・2匹の船員は今日も元気にヨットで旅している

 甘えん坊でにぎやかなジソーと、クールで落ち着いたエイハブ船長はすぐに離れられない仲となった。

 エイハブ船長はジソーに船上暮らしのノウハウを一から十まで教え込んだ、身づくろいの方法から、正しいエサの見分け方、船の乗り降りの方法まで。





 「毎朝、二匹揃って鳴くんですよ、私たちを起こすために」とカッチさん。



 いまやジソーも大きく育ち、エイハブ船長と同じくらいの体格になった。二匹は本当のきょうだいかと思うほどによく似ている。



 二匹の猫と二人の人間の船旅を追いたい人は、フェイスブックにて。

written by K.Y.K. / edited by parumo

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