人格を与えられた女性のオランウータン、34歳の誕生日をお祝い(アメリカ)

2月22日(土)11時30分 カラパイア

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image credit:centerforgreatapes/Instagram

 ヒト科オランウータン属に分類されるオランウータンは、その語源が「orang(人) hutan(森) = 森の人」であることから、過去には「人間に一番近い存在だ」という説が発表された他、遺伝子の95%以上が人間と一致するとも言われており、チンパンジーに並び非常に知能の高い生き物として知られている。

 現在、アメリカのカリフォルニア州にあるオランウータンの保護地に暮らすサンドラは、法的に人格を与えられた「女性」のオランウータンだ。

 2月14日のバレンタイン・デーに34歳の誕生日を迎えたサンドラは、保護地スタッフらによってお祝いされた。
・人が享受する法的人格と権利を与えられたサンドラ


 サンドラは、アメリカに移る前はアルゼンチンのブエノスアイレスにある動物園で飼われていたが、そこはサンドラにとってあまりいい環境とは言えなかったようだ。

 そこで、アルゼンチンの動物福祉団体『Association of Officials and Lawyers for Animal Rights(AFADA)』が、サンドラのために「人格」訴訟を起こし、サンドラは2015年の裁判で画期的な判決によって人間同様リスペクトされる権利が認められ、法的人格を与えられた。


・サンドラ、アルゼンチンからアメリカへ

 サンドラが得た法的人格の権利とは、オランウータンを動物ではなく人間に近い生き物として扱うことにより、人間が享受する法的権利を持ち、それによってより良い生活条件を得る権利も同様に保有することを意味する。

 よって、サンドラは動物園の展示物としては認められないことになった。

 しかし、その判決後も明確な手段やアイデアがなかったため、結局サンドラはブエノスアイレスの動物園に単独で残り、2016年に動物園が閉鎖になった後、2019年9月にアメリカへ移動し、最終的に11月にフロリダ州にあるオランウータンの保護地『Center for Great Apes』へとやって来た。


・2月14日に34歳の誕生日をお祝い

 Center for Great Apesでは、多くのオランウータンやチンパンジーが保護されている、創設者のパティ・ローガンさんは、1984年に野生のオランウータンのリハビリテーションプロジェクトに参加したことがきっかけで、この保護地を設立したそうだ。

 インドネシアのボルネオ熱帯雨林で孤児になったオランウータンの世話をしているうちに、彼らの静かで穏やかな性質に強く惹かれたのだという。

 サンドラは、この保護地で2月14日に34歳の誕生日を迎えた。


 スタッフらは、バレンタイン・デーにちなんでサンドラに赤やピンクのたくさんのギフトをプレゼント。

 スタッフらから心のこもった暖かい言葉が綴られたカードやプレゼントを受け取り、サンドラは満更でもなさそうだ。

 この日はスタッフだけではなく、もしかしたら今後伴侶となるかもしれないジェスロという男性オランウータンも一緒にサンドラの誕生日をお祝いした。


・保護地で幸せな日々を送るオランウータンたち

 保護したオランウータンをスタッフと一緒にいつも気にかけているパティさんは、サンドラについて次のように語った。

サンドラは、ここにやって来た当初はとても内気でしたが、今は完璧にここでの生活に馴れて、穏やかで幸せに暮らしています。

ジェスロにとても興味を持っているようですが、今の段階では互いを知って信頼を築いている途中で友達として接しています。でも、双方が自信を持っていて、いい関係を育んでいるのがわかります。

ジェスロはサンドラと年齢も近いし、穏やかな性格なので、将来2人はお似合いのカップルになると思っています。

 Center for Great Apesでは、娯楽や実験、違法取引などで過去に辛い思いをしたオランウータンやチンパンジーを今後も救済・保護していく予定だ。

 スタッフは、保護された彼らがサンドラのように新たな環境で落ち着き、幸せに暮らしていけることを願っている。

 なお、サンドラを含む保護地のオランウータンの様子は、インスタグラムで閲覧できる。

References:UNILADなど / written by Scarlet / edited by parumo

カラパイア

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