歩くことのできない子猫の母代わりとなった犬。その愛情を受け元気に育つまでの物語

3月3日(日)11時30分 カラパイア

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 生後3週間の子猫、ハーパーは、アラスカのある民家の庭に置き去りにされた。

 といっても、人間に遺棄されたわけではない。野良であるハーパーの母猫が、何かに驚きその場から逃げ出し、そのまま戻ってこなかったのだ。

 その場からまったく動かない子猫。このままだと危険である。心配した民家から動物保護団体へ連絡がいき、保護してもらうことができた。

 保護してわかったことなのだが、ハーパーは、下半身が麻痺していて後ろ脚が動かず、歩くことができなかったのだ。

・後脚が動かない子猫

 ハーパーを最初に保護した団体は、自分たちの手には負えないと判断して、"Alaska's KAAATs" という別の団体に託すことにした。ハーパーには特別なニーズがあったのだ。

 ハーパーの下半身は麻痺していて後脚が動かせず、また、自力で食べることもできなかったのである。

 X線写真によると、麻痺の原因となったダメージはかなり前の段階で治癒している。母猫の産道を通る時に何か起こったのだろうというのが、獣医の見立てだ。

 しかし、ハーパーには生きることを放棄する気は全くなかった。

 ハーパーが健康を取り戻すまでの数週間、何人ものボランティアが付き添って2〜3時間おきに栄養を摂らせたのだ。



・お母さんが恋しいハーパーに「犬のお母さん」

 健康を取り戻すにつれて、ハーパーの性格も明らかになってきた。好奇心旺盛で、とても甘えん坊なのである。

 ボランティアの人々は、ハーパーに抱きしめるためのぬいぐるみや毛布などを与えたが、ハーパーはそれでは満足しなかった。母親の毛皮のぬくもりと愛情が欲しかったのだ。

 そこで、"KAAATs" の創設者であるシャノン・バスナーさんの脳裏に浮かんだのが、自宅で飼っている3匹の犬のことだ。

 3匹とも猫が好きなのだが、特にシンダーは、子猫の世話役にふさわしい、特別な魂を持っている。

 シンダー自身も、屋外で過ごしてきた時間の方が長い保護犬だが、保護されてからは、何匹もの子犬や子猫の面倒を見てきたのである。



 「ハーパーが、毛皮の友達と触れ合う時間を確保したかったのです」とシャノンさん。「ですから、これは非常に重要なことでした」

 はたして、シンダーにハーパーを引き合わせると、シンダーはすぐさま子猫を自分の前脚の下に抱え込んだのであった。嵐にあった親鳥が翼の下にヒナを隠すように。



・犬母さんの愛情をもらい、足代わりとなる車椅子にトライ

 シンダー母さんの元で心身ともに元気一杯になったハーパー。そんなハーパーに、シャノンさんが次に用意したのは、猫用の車椅子だ。



 最初のステップではただ見せるだけ、次のステップでは、ハーパーの気が済むまで触らせる…、というように、シャノンさんはそれぞれのステップに十分な時間をかけ、ハーパーが警戒心を抱かないように慣らしていった。

 好奇心旺盛なハーパーは予想より早く車椅子になじんだ。そしてシンダー母さんは、毎日の練習が終わるたびにハーパーの後脚を丁寧に舐めてやるのだ。


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 ハーパーは現在6ヶ月になるが、今でも子猫のようにシンダー母さんに甘えている。シンダー母さんも、ハーパーが甘えるのを喜んでいるようだ。



 「ハーパーがシンダーに寄り添って喉を鳴らし、シンダーの顔にあのやさしい表情が浮かぶのを見ると、世界が全て上手くいっているように思えて、私たちも微笑みます」とシャノンさん。

 「ハーパーはインスピレーションの塊で、とっても可愛い子に育ちました。シンダーの子育ての労は完全に報われたのです」


written by K.Y.K. / edited by parumo

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