食肉用の牛だったけど、馬としての厳しい訓練をクリア。馬化まったなしで馬術競技もこなせるようになったウシ(フランス)

3月13日(水)11時30分 カラパイア

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image credit:Facebook

 馬じゃなくて牛だって、ちゃんとトレーニングを積めば乗馬ならぬ乗牛を楽しめるようになる場合もあるにはあるようだ(関連記事)。

 しかし自ら芸を覚えようとする勉強熱心な牛はそうそういないのではないだろうか?

 フランスの小さな牧場に生まれた雄牛のアストンさんはもともと食肉として出荷されてしまう運命にあったらしい。

 だが、馬の調教師からトレーニングを受け、自分でも熱心に勉強し、まるで馬のように障害飛越競技(馬術競技の一種)をこなす牛へと成長した。
・超仲良しになった子牛が生後3ヵ月で食肉処理場へ


Meet the bull who thinks he's a horse | SWNS TV

 5年前のこと、フランス・ストラスブールに住む調教師のサビヌ・ルアスさんは、20年間をともにした馬を亡くして悲しみにくれていた。

 しばらく馬から離れたい・・・そう考えたサビヌさんは近くの牧場にいた牛たちに興味を持った。

 そのうち一頭の雌牛が妊娠しており、しばらくすると雄の子牛を産んだ。子牛はすぐにサビヌさんに超なつき、超仲良しになった。

 ところが、当時「M309」と呼ばれていた子牛は、生後3ヵ月で食肉処理場へと送られることが決まっていたのである。


・障害飛越競技のトレーニングを興味深げに眺める子牛

 サビヌさんは牧場に掛け合い、かなりもめたがなんとか屠殺を阻止しようと戦った。そしてアストンと名付けた子牛が1歳になったとき、母牛と一緒に引き取ることを決め、自分の馬小屋へと移した。

 それと同時期にサビヌさんはサミーという名の子馬も家族として迎え、障害飛越競技の競技馬としてのトレーニングを開始した。

 すべて順調に進み、サビヌさんは幸せいっぱいだったが、一つだけうれしい誤算があった。アストンが、サミーの訓練を熱心に観察するようになったのだ。


・約1年後には乗牛を楽しめるようになり芸まで習得

 サビヌさんは当時を振り返り、

私はサミーにいくつかの基本的な技を教えていた。それをアストンはじーっと見ていた。アストンにも技を教えられるんじゃないかしら?とひらめいたのはそのときよ。乗牛を試したことはなかったけれど、アストンは私の声を追いかけて歩くことができたし、もう少し成長したらやってみようと思ったわ

とコメントしている。

 その後、サビヌさんは計画通り、アストンのトレーニングを始めた。アストンの方は割とすんなりそれを受け入れたが、サビヌさんは馬と牛の乗り心地がかなり違うためかなり戸惑ったという。

 忍耐強く調教した結果、1年後には上手く乗牛ができるようになった。さらにアストンは障害飛越競技の技もいくつか覚えることができた。


・調教師と雄牛の素晴らしいパフォーマンスに拍手喝采!

 サビヌさんとアストンは3年前、地元でパフォーマンスを初披露したそうだ。するとこれが拍手喝采となり、いまではヨーロッパ各地を巡っているらしい。

 アストンはサミーと離れるのがさみしくて時々神経質になるが、だいたいは上手くこなしているとのこと。

 巨大な体ながら高さ約1mの障害物も飛び越せるようになったほか、常歩(なみあし)や速歩(はやあし)、停止など馬場馬術(ドレッサージュ)の技もいくつか習得しているというからスゴイね。


 牛って実は社会性が高く、同性の親友と密接な関係を築き上げることがこれまでの研究でわかっている。親友から引き離されるとストレスで弱ってしまうほどだ。

 犬と一緒に育てられた牛の犬化が進んだように、馬をずっと見てきたアストンの馬化が進むのも、その親和性によるものなのかもしれない。

・牛の犬化。育児放棄された群れにも見放された子牛を犬と一緒に育てたところ結構な犬っぷり(アメリカ) : カラパイア
 
written by usagi / edited by parumo

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