”殺人犬”集団、子供を襲う〜13人が死亡(インド)

5月18日(金)7時0分 the WOOF

インドの、ウッタル・プラデーシュ州シータープルで、野生動物による子供の殺害が多発しています。


最初の報告があった昨年の11月以降、約半年の間に殺された子供の数は13を数え、子供たちは学校にも通えない状態が続いています。




”殺人犬”の子供たちへの攻撃は、インドの地方都市であるシータープルの住民を恐怖に突き落としました。


5月13日、10歳の女の子が”野良犬”に襲われて死亡。昨年11月から数えて13人目の犠牲者となってしまいました(負傷者は24人)。攻撃された子供たちは、単にマンゴーを摘んだり外のトイレを使ったりしていただけで、犬に攻撃を仕掛けることもちょっかいを出したわけでもありませんでした。


恐ろしいのは、最近になって攻撃のペースが上がっていることです。5月の死亡者は14日の時点ですでに7人で、これは昨年11月から4月までの6人という数字を、すでに上回っています。


政府もも手をこまねいている訳ではありません。12人目の被害者が出る直前には、ウッタル・プラデーシュ州の長であるYogi Adityanath氏が地域を訪れ、”殺人犬”の排除を約束しました。また、被害者家族に弔意金としておよそ3,000ドルが支給されましたが、同地方の住民たちの怒りは収まりません。政府の対応が不十分であるとして、国道閉鎖などの抗議行動を展開しています。


インドは世界基準からみても非常に野良犬の多い国です。インド全土には3000万匹を超える野良犬がいると言われており、世界の狂犬病による死亡の3分の1以上はインドであるという報告もあります(2015年Global Alliance for Rabies Control)。ムンバイだけを見ても、1994年から2015年の狂犬病による死亡者の数は400人を超えています。


野良犬はこのように、感染症などにより人間の命を脅かしていましたが、これまでに人間を直接襲ったという報告はほとんどなく、むしろ犬を襲っていたのは人の群衆の方であると考えられていました。


しかし、2015年から2016年にかけて、ケーララ州南部で野良犬による攻撃の報告が相次いだことで、事態は一変します。当時の報告によると、噛まれた人間は10万人以上。65歳の女性が約50匹の犬の集団によって攻撃されたという事件もありました。


その事件の記憶が新しい2017年11月、今度はウッタル・プラデーシュ州シータープルで”殺人犬”による子供への攻撃が起こったというわけです。


なぜ犬たちがが突然攻撃的になったのかは、現在のところわかっていません。シタプール住民の中には、近隣の違法食肉処理場を取り締まったことが、”野良犬”の攻撃に関与しているのではないかと推測する者もいます。屠殺場から出る食肉がなくなったことで”野良犬”が飢えてしまい、人々を襲い始めたのではないかというのです。


ただしこの見解も、時期がぴったりと合わない点で疑問が残ります。閉鎖されたのは昨年5月。最初の死傷者が出た11月。6ヶ月も間が開くのはおかしいという意見です。


さらに、捕食者は本当に野良犬なのかという点も、疑問視されています。「犬というよりオオカミのように見えた」「やや大きめで、顎はジャッカルのようだった」という証言や、近隣州でオオカミの攻撃があるという事実から、”殺人犬”はオオカミか、あるいはオオカミとのハイブリッドである可能性も検証されています。このため、正確な動物種を確認することを目的に、世界自然保護基金(World Wildlife Fund)とインド獣医学研究所の合同チームが、唾液と組織のサンプルを現場から収集して調査に当たっています。


”殺人犬”の正体がつかめない段階ではありますが、シータープルの住民の怒りの矛先は野良犬に向かっており、すでに多くの犬が武装市民らによって殺害されています。メディアや動物活動家からの抗議の声を受け、地方自治体などは殺害より捕獲に重点を置いて活動していますが、野良犬の殺害は後を絶ちません。


シタプールの地方自治体は、この問題に取り組むための13チームを設置して対応に当たっています。ドローンカメラを使用して地域の調査に加え、救急車と緊急車両を配備して高い警戒態勢を敷いているということです。


h/t to India’s ‘killer dogs’: Strays blamed for spate of child deaths – BBC News


Featured image creditLauren Kay/ unsplash



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