心に寄り添うセラピー!刑務所の「プリズンドッグ・プログラム」とは

6月14日(木)16時0分 わんちゃんホンポ


プリズンドッグ・プログラムとは?

人に寄り添う犬


「プリズンドッグ・プログラム」とは、刑務所で行われる、ワンちゃんを使った更生プログラムのことをいいます。1982年に女性受刑者だったキャシー・クイン氏によって発案され、現在はアメリカの150以上の刑務所で行われています。


受刑者はワンちゃんのお世話をすることでさまざまなことを学び、社会復帰を目指します。このプログラムを行った受刑者の再犯率は激減し、とある青少年刑務所では再犯率ゼロという功績を残しました。


プリズンドッグ・プログラムに起用されるワンちゃんは「プリズンドッグ」とよばれ、動物保護施設やシェルターから引き取ってきます。


実はプリズンドッグは過去に虐待や飼育放棄を受けたワンちゃんで、そのため人間に対して不信感や恐怖心が強く、近づかなかったり、凶暴なワンちゃんが多くみられます。こういった問題のあるワンちゃんとペアを組み、自分の独房にケージを置いて、その子の「トレーナー」として約3ヵ月間一緒に暮らします。


プリズンドッグ・プログラムは、受刑者の「社会復帰への意欲向上」と、プリズンドッグの「新しい飼い主を見つけること」を目的としています。


プリズンドッグ・プログラムのメリット

握手する人と犬


受刑者の心の成長

プリズンドッグとして刑務所に来るワンちゃんのお世話は、とても大変なものです。
それもそのはず、人間に対して過去にトラウマがあるからです。


また、犯罪を犯した受刑者たちは人を信じることができなくなっていたり、人と関わるのが苦手だったり、感情をコントロールできずに怒りを爆発してしまったり、さまざまな事情を抱えている人が多くみられます。


それでも、なかなか言うことを聞いてくれないワンちゃんと接することで、人間らしい感情を取り戻し、笑顔が多くみられるようになります。また愛情や命の尊さ、思いやりが芽生え、仲間とアドバイスを言い合うなどコミュニケーションをとることで、絆や連帯行動が生まれます。


ワンちゃんを里親に出す

プログラムが順調に進むと、約3ヵ月後にはワンちゃんを里親に出します。新しい飼い主さんは受刑者に「こんな素晴らしい犬をありがとう」と感謝するでしょう。


このとき、受刑者はさまざまな感情があふれます。


  • ワンちゃんを殺処分から救った命の可能性
  • 虐待され人間に怯えていたワンちゃんを育てあげた達成感
  • 新しい飼い主さんのもとで幸せに暮らせる安心感
  • 人から感謝される喜び
  • 人の役に立つ喜び
  • 社会に貢献したい意欲
  • 生きがい

など、自分に対しても他人に対しても気持ちが乱暴だった受刑者が、プリズンドッグ・プログラムを通してワンちゃんの幸せを想い、自分を誇りに感じ、自分の価値を発見することができるのです。


日本のプリズンドッグ・プログラム

なでられる犬


日本でも、2か所の刑務所で似たようなプログラムが行われています。2009年に、島根県の「島根あさひ社会復帰センター」で、受刑者が盲導犬の子犬を訓練したプログラムが始まり、2013年には第一号の盲導犬が登場したそうです。


さらに2014年には、千葉県の「八街少年院」で、保護されたワンちゃんの飼育をすることで責任感や命について考えることを目的に動物介在プログラムがスタートしています。


まとめ

白黒の犬


心がすさんでしまった受刑者と、人間への信頼を失い殺処分されそうになったワンちゃん。プリズンドッグ・プログラムは、受刑者とワンちゃんどちらも救う素敵なプログラムだと思いました。


プリズンドッグ・プログラムの成功のカギとなるのは、やはりワンちゃんの自然体な姿だと感じます。ワンちゃんは受刑者を「犯罪者」ではなく「パートナー」として見ています。自分を愛してくれていると伝わるからこそ、受刑者の心に響くのではないでしょうか。



わんちゃんホンポ

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