その青い鳥、危険につき。世界一危険な鳥「ヒクイドリ」だが彼らにとっての脅威も人間である。

7月1日(日)11時30分 カラパイア

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 さてカラパイアでも何度かお伝えしているヒクイドリ。長いパチパチっとした睫毛と鮮烈な青い顔が印象的で、ゴージャスな孔雀にすら匹敵するイケメンっぷりだ。

 だが、その眼差しに見つめられてうっとり夢見心地になってはいけない。世界で最も危険な鳥とは彼のことなのだ。

 世界一危険な鳥としてギネス記録にも認定されたヒクイドリだが、実際には人間に与えた脅威以上の脅威を人間によってもたらされているのも事実である。

・現世を生きる恐竜「ヒクイドリ」

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 額の部分をヘルメットのような板で武装し、時速50キロ近い速度で駆けることができるヒクイドリは、”生きた恐竜”とも言われる。

 10センチもの爪は恐竜のヴェロキラプトルに異様なまでに似ている——それゆえに先史時代の生物の最も直接的な生物の一つであると言われることもある。

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 その爪が彼らを世界で最も危険な鳥にする。

 オーストラリアとニュージーランドの熱帯雨林の固有種であるヒクイドリは、一般に人間を避ける。だが、いざ本気になりさえすれば、その戦闘力は驚異的だ。

 空を飛ぶことはないが、1.5メートルもジャンプすることができ、巣やヒナを守るために爪で武装された足で戦う(なお成鳥のメスはオスよりも大きく、全高1.8メートルを超える)。


Ataque de Casuarius a su cuidador ESPECTACULAR


・人間が襲われるケース

 人間が襲われる場合は大抵、写真を撮ろうとしたり、餌をやろうとして近づきすぎたときだ。後者の場合は、ヒクイドリが人間と餌を関連づけるようになり、餌を持っていない人間を見ると怒るようになるので特にしてはいけない行為だ。

 ヒクイドリによって人間の死者が出たという記録は1件(1926年、10代の少年が鳥を襲おうとして殺された)しかないが、蹴られて大怪我をした人ならいる。

 2012年、オーストラリアの旅行者がカメラを向けたところ、それに怒った2メートルを超えるヒクイドリに蹴られるという、嬉しくないお土産をもらってしまった。

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・人間が感じる脅威以上に人間に脅威を受けている

 人目を嫌うヒクイドリはしかし、人間が彼らから危害を加えられているよりずっと大きな脅威を人々から受けている。

 オーストラリアの野生のヒクイドリの多くは、森林の開発と生息域への人間の侵入によって個体数が減少しており、絶滅が危惧されている。ヒナが生き残る確率は1%以下という研究結果も報告されている。

 ヒクイドリの保護活動を行なっているレインフォレスト・レスキューによると、彼らの主要な死因は交通事故だという。

 「ヒクイドリの生息域で人口が増加しており、深刻な影響が出ています」と同団体のウェブサイトには説明されている。

 道路を渡るときに車に轢かれる恐れがあるうえに、道路のために新鮮な水や果物にありつくまで長い距離を移動しなければならなくなっているのだ。

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・ヒクイドリも生態系に大きな役割を果たしている

 ヒクイドリは、森の中で食べた果物のタネを拡散させるなど、主要な生態系の役割を果たしている。こうすることで、食べられた植物は他の場所で成長し、また新たな餌を提供できるようになる。

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 企業が開発目的で生息地内の土地を購入しないようにするために、レインフォレスト・レスキューは売りに出された熱帯雨林の土地を積極的に購入したり、現在の所有者から買い戻したりしながら、業者に切り倒された森を復活させようとしている。

 それは一つだけ確かなことがあるからだ。

 この素晴らしい鳥がいなくなれば、森は今よりずっと活気のない場所になってしまうということだ。


Southern Cassowaries (Casuarius casuarius) at Etty Bay, Queensland, Australia
rainforest-rescue / written by hiroching / edited by parumo

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