うさぎのウイルス感染症「ウサギエボラ」がアメリカで急速に蔓延、感染力が高く致死率は9割

7月8日(水)9時0分 カラパイア

ウサギのウイルス感染症
うさぎの感染症「ウサギエボラ」がアメリカで蔓延 / Pixabay

コロナウイルスの蔓延に苦しむアメリカだが、その南西部ではまた別のウイルスがアウトブレイクして、うさぎの命を脅かしているそうだ。
 感染すればほとんどのうさぎが命を落とす危険なウイルスの名は「ウサギ出血病ウイルス(RHDV2)」——通称ウサギエボラだ。
 感染力、致死率が共にが高く、アメリカ南西部の7州で数千匹のうさぎが死んでいるという。
・全身の臓器から出血して死にいたるウサギエボラ
 まず最初に、ウサギエボラ(ウサギ出血病ウイルス)は人に感染する本家のエボラウイルスとは無関係である。体内で出血した末に臓器不全で死にいたるその症状がエボラ出血熱によく似ているために英語圏ではそう呼ばれている。
 4月以降、アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、ネバダ州、ニューメキシコ州、ユタ州、テキサス州のほか、メキシコ西部でもでウサギエボラの症例が確認されている。
 アメリカでウサギエボラがアウトブレイクしたのは4度目のこと。(ちなみに世界最初の事例は35年前の中国である)
 しかし飼育されているうさぎだけでなく、野生で暮らす北アメリカの固有種にまで感染が拡大したのは初めてであるらしく、複数の地域と種に広まっていることが専門家を懸念させている。
 ナキウサギ、ノウサギ、ワタオウサギ、カンジキウサギ、ジャックウサギなど、どの固有種にも症例が認められるという。
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・出血と臓器不全で感染した9割が死亡、突然死する個体も
 ウサギエボラに感染すると、ウイルスはまず最低3日の潜伏期間を経る。うさぎは元気をなくし、食欲も衰える。やがて肝臓と脾臓が機能不全を起こし、血液が凝固しなくなる。全身の臓器から出血が認められ、数日の内に死にいたる。今回のアウトブレイクの致死率は90%という高さだ。
 中にはまったく症状を見せることなく、突然死んでしまううさぎもいるという。何の前触れもなくうさぎが死んでしまったかと思えば、その鼻から血が流れてきたことで、そうと分かるのだ。
 どうにか生き延びたうさぎであっても油断できない。血液・糞尿を通じて2ヶ月近くもウイルスをばらまき、他の仲間を感染させるからだ。
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 最初のアウトブレイクは2019年で、オハイオ州でペットとして飼われていたうさぎたちに突如出現し、次々とうさぎに感染していった。
 さらにワシントン州でもそれとは別のアウトブレイクが発生。今年2月末には、ニューヨークの動物病院で、うさぎ12匹が数分の激しい発作を起こした末に死んだ。
 その1ヶ月後にアリゾナ州とニューメキシコ州から広まった4回目のアウトブレイクは、これまでのものとは別個のものであるようだが、正確な発生源は特定されていないという。
 特にニューメキシコ州では、3月から6月にかけて500匹が感染しており、深刻な事態となっている。
・今のところ人間には無害だが感染を拡大させる危険あり
 ウサギエボラは現状、うさぎ以外の動物に感染することはないが、人間の靴や服などに付着して他のうさぎに感染させることはある。昆虫もまた同様だ。
 厄介なことに、ウサギエボラはかなりタフで、50度の温度に1時間耐え、凍らせても死ぬことはない。また常温なら3ヶ月は生きる。
 感染してしまえば治療法はなく、ワクチンも不足している状態だ。現在、アメリカの獣医師らはスペインやフランスからワクチンを輸入できないか、米当局に打診している最中であるという。
References:thecut/ written by hiroching / edited by parumo

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