唯一の家族である弟を失った子猫、絶望を希望に変えてくれたのは1匹の犬だった(オーストラリア)
11月23日(土)11時30分 カラパイア

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異種であろうと同種であろうと、温もりを求めて震える小さな命は私がお世話したいの。そんな愛情あふれる犬と出会い、絶望を希望に変えた猫がいる。
オーストラリアで保護されたその子猫はシアラと名付けられた。唯一の家族である弟を失い大きな孤独を抱えていた彼女を救ったのはスタッフの愛犬グッチだった。
もふもふなポメラニアンのグッチにロックオンして甘えるシアラと、幼いシアラの母親役をかって出たグッチ。種は違えど相性ぴったりな2匹は親子同然の絆を育んだのだ。
・保護されてまもなく弟を亡くしてしまったシアラ
今年11月初め、西オーストラリア州を拠点とする猫の保護団体Cat Havenで養母のボランティアをしているクリスティン・ローさんが2匹の子猫を保護した。
小さな2匹は姉弟で、シアラとトミーと名付けられた。彼らには新たな家族が必要だったが、とても弱々しく、通常の猫の成長過程の半分くらいの大きさしかなく、当面は施設で面倒を見ることになった。
それからまもなく、悲しいことにトミーが息を引き取った。姉のシアラだけになってしまった。唯一の家族を失ったシアラは孤独に耐えられなくなったようで、いつまでも鳴き続けたという。
とても寂しげなシアラ。その様子に胸を痛めたクリスティンさんは、自分の愛犬たちを彼女と仲良くさせることを思い立った。
・駆け寄ってきたシアラをわが子認定したグッチ
クリスティンさんの愛犬と初めて会ったシアラは、すぐに犬たちに駆け寄って小さな体をすりつけた。彼女はもふもふの仲間に会えたことがうれしかったようで、ひたすら甘え続けた。
そして犬たちもシアラを受け入れた。中でもポメラニアンのグッチは出会ってすぐにシアラを気に入ったようで、小さな彼女を慈しむようになめ始めた。
その日を境に2匹は急接近。シアラは、グッチのあとを追っては一日中寄り添うようになった。昼寝も遊びもすべて一緒で離れようとしないのだ。
愛情深いグッチはさっそくシアラをわが子認定。せっせとお世話して片時も目を離さずにいる。2匹の心は完全に通じ合っていて本当の親子のようだ。
・仲良きことは美しきかな
その後、シアラはすっかり健康になり、年齢相応の体重のお転婆な猫になった。でも2匹の仲は相変わらずで、やっぱり一緒に過ごしている。
彼らを見守るクリスティンさんも「素晴らしい絆と愛を育む2匹を眺めていると胸がいっぱいになります」と感無量。
グッチがシアラの親代わりをかって出たことにも感激していて、愛犬の優しさやきめ細やかな育児っぷりにも驚かされたと話している。
・シアラが犬化?
また最近、グッチに愛情たっぷりのしつけを受けてるシアラには犬化の兆しもみえるという。
「シアラは犬みたいに吠えたことがあるんです。その時はさすがの私たちも驚いたわ。グッチと育ったシアラは自分を犬と思ってるフシがあるんです」
活発な猫に成長しつつも、犬のスキルを習得しようとするシアラ。1匹ぼっちの悲しみから一転、種を超越した愛に救われ、生きる希望を取り戻した彼女は、今日も大好きなグッチと幸せに過ごしている。
written by D/ edited by parumo