ジャイアントパンダのレア種、茶色パンダの“チーザイ”、いじめ乗り越え養子縁組が成立

12月3日(火)11時30分 カラパイア

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image credit:Md Mohasin/Facebook

 ジャイアントパンダといえば、白と黒のモノトーン柄がキュートな動物だが、中国の一部の地域には、白と茶色の野生パンダが生息する。黒の部分がココアパウダーのような茶色なのだ。

 白と茶色のパンダとなると特定の地域にほんの一握りしか生存していないことから、大変な希少価値で国宝級とされている。

 生後2か月で母親に捨てられたところを保護され、世界初の飼育下に置かれることになった茶色パンダの“チーザイ(Qizai)”は日本でも3年前に話題となったが、今では10歳となった。

The world's only brown panda had the hardest childhood

・生後2か月で母親に捨てられ、辛い成長期を送ったチーザイ

 珍しい白と茶色のオスのパンダ“チーザイ”が中国中部の秦嶺(シンレイ)山脈で発見された時は、まだ生後2か月だった。

 山林の中で母親に捨てられたと見られたチーザイは、陝西省の「希少野生生物救助、繁殖および研究センター(Rare Wildlife Rescue, Breeding and Research Center)」へ運ばれた後、仏坪(フォーピン)自然保護地区へと移された。

 飼育員によると、保護区へ移されて暫くの間、毛色の違うチーザイは他のパンダから笹を奪われたりするいじめに遭っていたようだ。



 幼くして母に捨てられ、保護区でもいじめを経験するなど、辛い成長期を迎えたチーザイ。しかし、現在は大きく強く成長し、元気いっぱいの10歳になった。



・アメリカの慈善団体との養子縁組が成立する

 自然保護区で飼育されている複数のパンダは、飼育の支援を他国の慈善団体にも頼っている。

 このほどチーザイを保護した陝西省の研究センターが、アメリカに拠点を置く慈善団体「Pandas International」とチーザイの養子縁組を成立させた。



 2000年にスザンヌ・ブレイデンとダイアン・リースによって共同設立された同団体は、ジャイアントパンダの保護と繁殖に力を注いできた。

 これまで長きにわたり、この団体はチーザイがいる保護区のパンダたちに予防接種や検査器具、ベビーパンダのための粉ミルクやベビーベッドなど必要なものを寄付し続けるなど、保護区への日常業務支援を行ってきた。

 そこで、研究センターはその感謝の印として、今回チーザイを養子として提供することを決定し、11月20日にお祝いのセレモニーが開催された。



 とはいっても、チーザイはアメリカに移住するのではなく、そのまま中国の保護区で暮らす。

 養子縁組をしたことで、団体スタッフにはチーザイを訪問するためのアクセス権が与えられ、チーザイの今後の飼育に関する定期的な最新情報を受け取ることができるようになるということだ。



・チーザイの茶色の毛並みは遺伝子変異と推測

 パンダの黒い毛の部分が茶色になって生まれて来たチーザイは、遺伝子変異の結果によるものと考えられている。



 ジャイアントパンダの専門家らは、チーザイの遺伝子を研究するために、過去に白黒パンダとの交配を試みたが、そのメスパンダは妊娠には至らなかったという。

 アメリカの獣医で、国際保護カメラマン連盟メンバーのキャサリン・フェンさんは、珍しい茶色パンダについて次のように話している。

チーザイのような茶色のパンダは秦嶺山脈にしか生息しておらず、他の山脈の亜種とは異なると考えられています。

茶色の毛の原因は、遺伝子の組み合わせや二重劣性遺伝子、また希釈因子遺伝子など、遺伝的根拠の可能性が大きいようです。チーザイの母親は白黒のパンダでした。



 なお、茶色パンダが初めて秦嶺山脈で発見されたのは1985年だそうだ。それ以来、チーザイを含めても、ごくわずかの目撃情報しか報告されていない。

 専門家によると、秦嶺山脈に複数は生息しているようだが、数が少ないことと本来の白黒パンダが絶滅危惧種になっていることからも、やはり茶色パンダは国宝級の希少価値であることは間違いないようだ。

References:UNILADなど / written by Scarlet / edited by parumo

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