もうオスを殺さなくていい。孵化する前にヒヨコの性別を鑑定する画期的方法が考案される(ドイツ)

12月26日(水)9時30分 カラパイア

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 ドイツの科学者がヒヨコが孵化する前にその性別を鑑定する方法を考案し、それを応用した第一号の卵がベルリンで販売された。

 この手法は、受精後9日目の孵化する前のヒヨコの性別を識別することができる画期的な手法で、無益な無数の殺生を回避する人道的な方法である。

 オスのヒヨコは卵を産めないし食肉としても適していないという理由で、毎年40〜60億羽が殺されているのが現状だ。

・オスのヒヨコは殺処分されてしまうという現実

 人間がニワトリを育てるのは主に2つの目的のためである——卵を産ませるか、食用の肉にするか、だ。

 しかしオスのニワトリはその目的に照らすと価値がないとされている。成長しても卵を産まないし、メスに比べると成長が遅いので、餌代がかかりすぎて売り物にならない。

 そのために孵化したヒヨコがオスであることが分かると殺される。その数は、毎年推定40〜60億羽にものぼると言われている。

 処分の仕方は様々だ。窒息させたり、生きながらグラインダーに放り込まれて挽肉となり、爬虫類などの餌に加工されたりしてしまう。

 こうした養鶏場のやり方には多方面から非難の声が上がっており、人道的な卵の生産方法の確立が急務とされていた。

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・化学マーカーで受精卵の性別を判別する

 SELEGGT社がヒヨコを殺さずに済む方法を考案したのはこうした背景があったためだ。

 開発チームを率いたルトガー・ブレロー氏によれば、SELEGGTプロセスが実現できたのは、ドイツ・ライプツィヒ大学の研究者が開発した化学マーカーのおかげだという。

 この化学マーカーは、妊娠検査薬と似たようなもので、メスの卵に含まれる大量のホルモンを検出することができる。

 これを利用して、マーカーを受精後9日目の卵から採取した卵液に混ぜると、オスならば青く、メスならば白くなる。その判定の精度はじつに98.5パーセントである。

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・大量の卵を判別するための機器の開発

 しかし、そのままでは日々大量に産まれる卵に使うには現実的ではない。そこで、オランダの「HatchTech」社に、この性別検査を自動で行える機械の開発が依頼された。

 求められたのは、正確かつ清潔に、大量にそれも素早く処理可能な機械である。

 特に最後の条件は重要だ。1度の作業は短時間で終えられなければならないのである。なぜなら孵卵器で温めている卵を、2時間以上そこから出すとダメになってしまうからだ。

 しかし最大の難問は、卵を傷めることなく速やかに卵液を抽出することだった。

 たとえば針を使えば卵液を抽出ことはできる。だが、それでは卵を傷つけてしまううえに、針に接触するので衛生の点でも問題がある。

 そこでレーザーを殻に照射して0.3ミリの穴を開け、そこに空気圧をかけて液体を押し出すという方法が採用された。

 これによって、たったの1秒で卵に触れることなく卵液を抽出することが可能になった。

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・ついにベルリンのスーパーへ初の出荷

 そしてついに今年初め、SELEGGTプロセスで選別されたニワトリが初めて卵を産んだ。

 2018年11月、ベルリンのスーパーの棚ににオスのヒヨコを殺すことなく出荷された卵が初めて並ぶことになった。

 その卵には「RESPEGGT」というヒヨコの間引きが行われていないことを示すシールが誇らしげに貼られている。

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image credit:Martn Bondzio/SELEGGT

References:World's first no-kill eggs go on sale in Berlin | Environment | The Guardian/ written by hiroching / edited by parumo

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