北海道駒ヶ岳で地震活動が活発に 今後の推移に注意を
2024年1月12日(金)14時20分 ウェザーニュース
2024/01/12 14:25 ウェザーニュース
札幌管区気象台は北海道駒ヶ岳で昨年12月以降、山頂火口原浅部の活動がやや活発になっているとして、解説情報を発表しました。噴火警戒レベルは1の「活火山であることに留意」を継続しています。
昨年12月から低周波地震等が増加
気象台によると、北海道駒ヶ岳では昨年12月以降、山頂火口原浅部を震源とする低周波地震を主とした地震活動が続いています。
山麓の観測点による12月の地震回数の合計は31回となりました。山麓の観測点による1か月の地震回数の合計が30回以上となったのは1990年4月の61回以来、24年ぶりです。また、今年1月の地震回数は11日(木)までに速報値で15回となっています。一方で、火山性微動は観測されていません。
各火口の噴気活動は低調な状態ですが、山頂に設置した監視カメラでは、昭和4年火口において、ごく弱い噴気を観測する日数が2021年秋以降増加する傾向が認められています。
衛星で地殻変動を監視するGNSS連続観測では、2022年頃から山頂火口原浅部の膨張を示すと考えられる、わずかな変化が一部の基線で認められています。
北海道駒ヶ岳では山頂火口原浅部の活動がやや活発化していると考えられますので、今後の火山活動の推移に注意が必要です。
防災上の留意点
駒ケ岳は活火山であることから、火口内に影響する程度の噴出現象が突発的に発生する可能性がありますので、地元自治体などの指示に従って火口付近などの危険な地域には立ち入らないでください。
北海道駒ヶ岳は近年も度々噴火していて、最近では2000年に小規模な噴火、1942年には中規模な噴火を起こしています。1929年には大規模なマグマ噴火をして、周辺に大きな被害をもたらしました。
低周波地震とは?
低周波地震とは、通常の地震はよりも周波数の低い(周期が長い)微小な揺れの地震をことを言います。
火口周辺の比較的浅い場所で発生する低周波地震は、火道内のガスの移動やマグマの発泡などにより発生する場合があると考えられています。火山によっては、火山活動が活発化すると多く発生する傾向がみられるため動向に注意が必要です。日本では富士山などで観測されることがあります。
出典
気象庁火山監視カメラ