エルニーニョ現象はピーク続く 春に向けては終息へ(エルニーニョ監視速報)

2024年1月12日(金)12時0分 ウェザーニュース

2024/01/13 08:57 ウェザーニュース

気象庁は11日(木)、最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。監視海域の海面水温は引き続き基準値よりも2℃以上高く、エルニーニョ現象が続いています。
まもなくピークは過ぎるとみられ、春向けて終息に向かう見通しです。

監視海域の海面水温は8月からほぼ変わらず

12月の南米沖・エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+2.3℃で、8月以降はほとんど変わらず基準値より高い値です。エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の10月の値は+2.2℃となっています。
海洋表層の水温は太平洋赤道域の中部から東部を中心に平年より高く、西部では平年より低くなりました。また、太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年よりも活発で、中部大気下層の東風(貿易風)は平年より弱くなっています。
海洋と大気の状態は成熟したエルニーニョ現象の特徴を示していて、現在も続いているとみられます。

春は平常な状態に戻る可能性も

実況では太平洋赤道域の中部から東部にみられる海洋表層の暖水によって、東部の海面水温が高い状態を維持しています。
また、エルニーニョ・ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果によると、エルニーニョ監視海域の海面水温がピークを過ぎ、西部の冷水の東進により、春の終わりにかけて次第に下降して、基準値に近い値となる可能性があると予測しています。
4月はエルニーニョ現象が継続するか、平常の状態に戻るかの確率はともに50%となっています。5月は平常の状態に戻る確率が60%と、エルニーニョ現象が続く確率を上回り、終息に向かう見通しです。

今年の天候への影響に注目

2023年は顕著なエルニーニョ現象が、記録的高温のひとつの要因になりました。年明け以降も平年より気温の高い状況が続いているものの、エルニーニョ現象が終息に向かうことで、変化が出てくる可能性があります。
海洋の変化は地球全体の気候に大きく影響しますので、今後の海面水温の動向には注目が必要です。

参考資料など

気象庁より

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