12月中旬以降の大雪と低温の要因と今後の見通し

2021年1月15日(金)16時57分 tenki.jp

15日、気象庁は「令和2年12月中旬以降の大雪と低温の要因と今後の見通し」について発表しました。この発表によりますと、今冬の記録的な大雪の要因は、西シベリアのブロッキング高気圧や熱帯のラニーニャ現象が影響しているとみられます。

天候の状況

令和2年12月中旬以降、大陸からの寒気が日本付近に流入し、冬型の気圧配置が強まりやすい状態が続きました。このため、北日本から西日本の日本海側を中心にしばしば大雪となり、東北地方や北陸地方を中心に19地点で72時間降雪量が昨冬までの記録を更新しました。東北地方以南の日本海側を中心にすでに冬の最深積雪の平年値を超えたところが多く、北陸地方の平野部などでは2倍を超えたところがありました。
また、1月上旬の平均気温は北日本で36年ぶり、西日本で35年ぶりの低温となりました。

大雪と低温の要因

この大雪と低温の要因として、高緯度帯の偏西風(寒帯前線ジェット気流)と中緯度帯の偏西風(亜熱帯ジェット気流)がともに日本付近で南に蛇行し、日本付近に寒気が流れ込みやすくなったことが考えられます。寒帯前線ジェット気流の蛇行とともに、北極域に存在していた極渦が分裂して日本の北まで南下し、日本の上空には極渦およびその周辺の強い寒気が流入しました。この一連の寒気は、12 月14日からの約1か月間の平均で、北日本の上空約3,000メートルにおいて1958年以降で2番目に低い気温となるなど、北日本を中心にかなり強いものでした。
寒帯前線ジェット気流の日本付近での南への蛇行には、西シベリア上空にブロッキング高気圧が形成されたことやヨーロッパ方面からのジェット気流の強化が影響しているとみられます。亜熱帯ジェット気流の日本付近での南への蛇行には、ラニーニャ現象の発生に伴い、インドネシア付近の積雲対流活動が平年より活発であったことが影響しているとみられます。

今後の天候の見通し

1月20日頃にかけて日本海側では低気圧や寒気の影響で雪や雨が降りやすい見込みです。1月19日頃は低気圧が北日本を発達しながら通過するため、北・東日本日本海側を中心に風や雪が強まる見込みです。
その後は1月下旬中頃にかけて日本付近への寒気の南下が弱くなり、東日本以西で気温が平年よりかなり高くなる見込みです。現時点での積雪がすでに平年の冬の最深積雪を上回っている地方も多いことから、最新の気象情報に留意するよう気象庁は呼びかけています。

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