北海道のアイヌ文化施設「ウポポイ」 道民ですら「知ってる」5割 PRに課題

1月16日(木)8時46分 毎日新聞

ウポポイのオープン100日前を記念して、ロゴマークの色である紺と赤にライトアップされたさっぽろテレビ塔=札幌市中央区で2020年1月15日、竹内幹撮影

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 北海道白老町のアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」のオープンまで15日で100日になるのに合わせ、道はさっぽろテレビ塔(札幌市中央区)で特別イルミネーションを点灯した。今後も国内外でPRイベントが目白押しだが、2019年11月に道が実施した調査では、ウポポイを「知っている」と答えた回答は道民でさえ約5割。認知度不足の解消が急務となっている。【真貝恒平】


 ウポポイはアイヌ語で「大勢で歌うこと」を意味し、施設は4月24日にオープンする。旧アイヌ民族博物館跡地のポロト湖畔の敷地に整備し、工芸品などを所蔵する国立アイヌ民族博物館のほか、体験交流ホールや伝統家屋「チセ」が配置された国立民族共生公園、全国から集約された遺骨を納める慰霊施設で構成され、政府は年間来場者100万人を目指している。


 ◇振興の好機


 道はアイヌ文化振興の好機ととらえ、PR活動に力を入れる。15日午後4時半〜同10時、さっぽろテレビ塔をウポポイのロゴマークに使用する紺と赤で照らした。動画投稿サイト「ユーチューブ」で、PRアンバサダー(大使)の俳優、宇梶剛士さんらが出演する動画の配信も同日始めた。


 19、20の両日には新千歳空港国内線2階センタービルで「アイヌ・フェスティバル」を開催。アイヌ古式舞踊の披露や、宇梶さんのトークステージ(19日のみ)が行われる。このほか、2019年に大英博物館で開かれたアイヌを題材にした人気漫画「ゴールデンカムイ」に関する展示が好評だった英国ロンドンでも16日から約1カ月間、ムックリ演奏体験やアイヌ文様・刺しゅう体験などさまざまな広報活動を展開する。


 一方、道の調査では認知度の低さが目立っている。昨年11月25〜27日に18歳以上の道内500人と関東・関西・中部地域の500人、計1000人を対象にインターネット上で実施。ウポポイを「知っている」道民は53・6%で、同8月の前回調査に比べて18・2ポイント増えたが、5割をわずかに上回っただけで、認知度がなかなか広がらない。道外でも6・2%で同1ポイント増えるにとどまった。


 「知っている」の内訳を見ると、道民では「4月にオープンすることは知っている」が25・4%で前回調査に比べ11ポイント増え、「できることは知っていたが、オープンの時期は知らなかった」が28・2%で同7・2ポイント増えた。道外では「ウポポイそのものを知らなかった」と答えた人は前回の94・8%とほぼ変わらず、93・8%に上った。さらに、ウポポイに「行ってみたい」と答えた道民は61・4%で同7・4ポイント増えたが、道外は50・6%で同2・2ポイント減少し、認知度の向上が急がれている。インバウンド(訪日外国人)への周知も遅れている。


 道は2月にも3回目の最終調査を行う予定で、アイヌ政策課は「知っている道民が2人に1人というのは、まだまだPRの取り組みが必要と受け止めている。オープンまでできる限り認知度を高めていきたい」としている。

毎日新聞

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