“地震予報”の未来を拓く「地下天気図」令和2年要注意箇所は

1月17日(金)6時0分 女性自身

昨年12月3日から4日かけて、茨城県南部・北部、栃木県北部などを震源とする関東地方で、マグニチュード4クラスの地震が立て続けに起きた。「首都直下型地震の前触れではないか……」と、メディアでも話題になったことは記憶に新しい。



いつ起きてもおかしくないと言われ続けている首都直下型地震や、南海トラフ地震。年が明けた現在の状況はどうなのか。地震の予測を研究する専門家に聞いた。



「“地下天気図”を見るかぎり、関東地方の地震活動は、まだ通常の状態に戻っていません。東日本大震災規模の揺れが起こる可能性は低いですが、しばらくの間は、マグニチュード6程度の地震が起きる可能性があります。ほかにも、大阪や紀伊半島周辺を含む近畿地方など、地下天気図で気になる場所があります」



そう警鐘を鳴らすのは、東海大学海洋研究所所長で、地震予知・火山津波研究部門長の長尾年恭教授。長尾教授は、阪神・淡路大震災以降、地震予測の研究を重ねてきたエキスパートのひとりだ。



複雑なメカニズムで起こる地震。いつ、どの程度の規模で起きるのかを正確に予知する方法は現状では確立されていない。そんななか、高い制度の“地震予測”が可能になる未来を開くのではないか、と注目を集めているのが、長尾教授が研究する“地下天気図”なのだ。



「地下天気図とは、地震の発生状況を、天気予報の気圧図になぞらえて可視化したものです。私たちが気付かないような小さなものも含めて、地震活動が通常より少ない状態を“低気圧”。通常より多い状態を“高気圧”と呼んでいます。昔から言われていることですが、大地震が起きる前には、地震活動が通常よりも減る傾向にある。つまり、嵐の前の静けさです。地下天気図でいう低気圧の状態が続いたあとに大きな地震が起きることが多いのです。地下天気図で、低気圧の状態が長期間続けば続くほど、そのあとに起きる地震は大きくなる傾向にあります。低気圧が続いている最中に地震が起きることもありますし、低気圧が解消して、地震活動が活発化し始めたあとに大きい地震がくることも多い。また、震源については、低気圧の真ん中より、その周辺部で起こることが多いようです」



過去の例を見てみよう。たとえば’16年4月14日に起きた熊本地震(マグニチュード7.3)は異常の周辺部を震源として発生した。



「熊本地震の場合は、地震が起きる半年前の’15年9月ごろが、地下天気図の異常のピークでした」



異常のピークとは、地震活動が通常よりも極端に少ない“低気圧”が続いた時期という意味だ。



「しかし、’16年4月13日の地下天気図を見ると、すでに低気圧は消えていました。そして熊本地震が発生したんです」



長尾教授らは、’11年にDuMAという会社を立ち上げ、こうした「地下天気図」の異常を有料メールマガジン(月220円・税込み)で配信。収益は地震予測の研究に役立てられている。



「ただし、低気圧が近づいても100%雨が降るわけではないのは地下天気図も同じ。あくまでも、地震予測をするために、地下で起きていることを知る第一歩だと思ってください」



そう話す長尾教授が、最近の地下天気図から「地震が起きるリスクが高い」と注視しているのが、次の4カ所だ。



まず、引き続き注意したいのが、昨年末に地震が多発した北関東。図を見てほしい。昨年の12月4日の関東地方の地下天気図だ。図の青色のところが低気圧。



「栃木県や茨城県南部の低気圧は解消されましたが、まだ埼玉県北部では低気圧が残る異常が続いています。冒頭でもお話ししたように、今後、マグニチュード6程度の地震が起こる可能性もあります」



今後また、関東地方でマグニチュード5クラスの地震が続けて起きるようであれば、これが引き金となって首都直下型地震が起こる可能性も否定できないという。



「立て続けに同じ規模の地震が起きるというのは、関東地方の下に沈み込んでいるプレートにゆがみがたまりすぎていて、銀行預金でいう“満期”に近い状態になっている可能性が考えられます。そうなると、ちょっとした刺激で大きな地震が誘発されやすくなる」



次に心配なのが、一昨年、大阪府北部地震が起きた近畿地方。



「この地域では、昨年の11月ごろから、’18年の大阪府北部地震の前のような異常が続いています」



つまり、低気圧が出現し続けているのだ。



「1月に入って少し解消されつつありますが、今後、大きな揺れが起きないか注意が必要です」



そのほか、昨年11月から続いている北海道北部からサハリンや、岩手・宮城県沖でも同様に低気圧が居座り続けているので要注意だという。



「女性自身」2020年1月28日号 掲載

女性自身

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