“赤ちゃん放置死”31歳貧困キャバ嬢 出産翌日も朝から晩まで働きづめ

1月18日(土)20時10分 文春オンライン

 元日の夜、東京・足立区西新井の静かな住宅街で、救急車の赤い警光灯が不穏に瞬いていた。狭い路地の奥に佇む古びた一軒家から搬送されたのは、生後間もない女の子の赤ちゃん。その体重は、約1350グラムしかなかった。


◆◆◆


「子供が動かなくなりました——」


 1月1日、自ら119番通報した池田知美(31)は、翌2日、保護責任者遺棄致死容疑で、警視庁西新井署に逮捕された。


「救急隊が駆けつけた時、嬰児はすでに心肺停止の状態だった。池田は昨年12月28日の朝7時頃、自宅の浴室で嬰児を産んだとされるが、病院に連れて行くこともなく、自宅2階のベッドに放置していた。父親については『以前の交際相手ではないか』と話している」(捜査関係者)



池田容疑者(JNNより)


 逮捕後、池田は容疑を認め、こう供述したという。


「病院に連れて行くお金がなかった。周囲に相談できる人もいなかった」


 池田は医療ケアが不可欠な低体重のわが子を置き去りにし、アルバイトを優先させていた。


「出産翌日の12月29日、朝8時から夕方5時まで近くのパチンコ店でアルバイトをし、夜8時頃から翌日未明まではキャバクラで働いていた」(同前)


 一方で池田は出産後、薬局で粉ミルクや哺乳瓶を購入し、赤ちゃんにはベビー服を着せていたという。だが、30日、赤ちゃんの泣き声がかすれ始め、手足の動きも鈍り出した。なす術もなく、時間だけが過ぎていく。結果、名もない小さな女の子は、生後わずか5日で力尽きてしまったのだ。



人目を避けるように祖父と同居


 池田が一人暮らしをしていた一軒家は、もともと父方の祖父の住まいだった。


「お祖父さんは大昔に離婚して、長く一人で暮らしていました。個人タクシーを営みながら、町会の役員も務め、社交的で気さくな人でしたよ」(近所の住民)


 対照的に、人目を避けるように祖父と同居を始めたのが、孫の池田だった。


「ご両親は別の場所に暮らしているのですが、お孫さん(池田)は親と、特にお母さんとの折り合いが悪いとかで、お祖父さんの家に住むようになったと聞きました。お孫さんが住んでいたことすら知らない住民も多いのですが、同居を始めてかなりの年月になると思います」(別の住民)



 昨年の夏、祖父が他界。以後も池田は祖父宅に人知れず住み続けた。同時期、池田は胎内に宿る命に気づいたというが、妊婦健診を受けた形跡はない。


 幼少期を知る住民の話。


「穏やかなお父さん、ハキハキしたお母さんと3人姉妹の5人暮らしでした。彼女(池田)は挨拶をしても照れ笑いして返事をしないような、シャイな女の子だった記憶があります。地域のお祭りにも一家で参加していましたし、仲の良い家族に見えたのですが……」


 歳を重ねた池田はやがて困窮し、密かに出産を迎えてなお、家族すら頼ろうとしなくなっていた。そして、消えることのない重い十字架を背負ったのである。



(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年1月16日号)

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