「ウサギの島」で死骸80匹、昨年11月以降…感染症か人間の暴行の可能性も

2025年1月22日(水)23時36分 読売新聞

 「ウサギの島」として知られる広島県竹原市の大久野島で、昨年11月下旬以降、約80匹のウサギの死骸が見つかっていたことがわかった。島を管理する環境省中国四国地方環境事務所は死因を特定するため、病理検査を行っているが、人間の暴行による可能性もあるとして、島内のパトロールにも乗り出している。(正田和也、東直哉)

 同島は瀬戸内海に浮かぶ周囲約4キロの無人島で、全体が瀬戸内海国立公園に含まれている。1970年代に島外から持ち込まれたウサギが野生化して繁殖したとされ、500匹以上が生息している。愛らしいウサギを目当てに国内外から多くの観光客が訪れ、ピークの2017年には約40万7000人が来島した。

 同事務所によると、昨年11月26、28日に計13匹、12月17、18日に計19匹、今年1月9〜12日に計45匹の死骸が、島内の散らばった場所で確認された。同時期に多数のウサギが死んだことはこれまでになく、感染症などのほか、人為的な要因も考えられるという。同事務所は公式サイトで目撃情報の提供を呼びかけたり、竹原署に通報したりして警戒。同事務所国立公園課の岡部佳容課長補佐は「自然保護官や民間協力者と共にパトロールを強化している。これ以上の被害は食い止めたい」と話す。

 約25年前から同島に通って、ウサギの撮影を続けてきた熊本県のカメラマン男性(49)も昨年11月以降、脚が折られたり、鼻から血を流したりして死んでいるウサギを度々、目にしてきたという。「ほかの動物に付けられたり、ウサギ同士の縄張り争いで付いたりする傷とは違う。人間の仕業ではないか」と腹立たしそうに語った。

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