“免震データ改ざん”KYB 防衛省への“水増し請求“発覚

1月29日(火)16時55分 文春オンライン

 昨年10月、免震・制振用装置の検査データ改ざんが発覚した油圧機器大手「KYB」。新たに「週刊文春」の取材で、航空機関連部品の代金を防衛省に“水増し請求”していたことが分かった。


 連結売上高約3900億円(2018年3月期)で、国内の免震・制振用装置ではシェア45%を誇るKYB。戦時中は零戦にも同社の部品が使われるなど、高い技術力で知られる名門企業だ。ところが、少なくとも15年間にわたって検査データの改ざんを行っていたことが発覚し、不正装置の交換費用として144億円の損失を計上している。



 だが、KYBの不正はそれだけではなかった。内情を知る関係者が明かす。


「防衛省に対し、航空機関連部品の代金を“水増し請求”してきたのです。神奈川県の相模工場が主導する形で、長年担当者の間では引き継がれてきました。請求の際には、本来は5カ月で終える仕事を10カ月かかったなどと作業期間や人数を過大に申告し、実際より多くの代金を受け取っていたと聞いています」


 水増し請求は2015年からストップしたという。


「この年の10月、防衛装備庁発足に伴う大規模な検査がありました。検査を乗り切るために社内では、事前に不都合なデータを別のサーバーに移したり“二重帳簿”をつけたりするなど“検査回避“が行われていたといいます」(同前)



「週刊文春」は航空機器事業部の内部資料を入手。それによれば、水増し請求を辞めたとされる2015年以降、それまで10〜20%だった同部門の利益率は一気に落ち込んでいる。2014年度上期に3億8559万5000円の黒字だったのが、2015年度上期には2億6444万9000円の赤字に転落。以降、航空機器事業部では赤字が常態化し、2018年度上期の赤字は4億6000万円を超えた。


 この水増し請求が事実であれば、国民の税金を騙し取った形になる。


「週刊文春」は1月25日午前、書面で事実関係の確認を求めたところ、KYBは4日後の1月29日午後、「水増し請求は事実です」と回答。検査回避についても否定しなかった。



©共同通信社


 一方、防衛装備庁は「防衛省では、1月28日(月)午前中、本件について、KYB(株)より報告を受けたところです。これを受けまして、防衛省では同社に対して、事実関係を確認するため調査を実施する予定です。今後同社に対して厳正な調査を実施し、その結果に応じて適切な処置を行う予定です」と回答。


 1月31日(木)発売の「週刊文春」では、今回の水増し請求問題のほか、KYB副社長や執行役員の銀座高級クラブ通いなどについても、詳報している。



(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年2月7日号)

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