冬場に車の暖機運転は今でも必要か?

2020年2月8日(土)5時16分 ウェザーニュース


2020/02/08 05:14 ウェザーニュース

暖機運転とは、機械を始動した直後に低負荷での運転を一定時間行うことを言います。昔の車は、冬になると数分間アイドリングしてエンジンを暖めてから走り始めるのが当たり前でしたが、性能が良くなった今の車には暖機運転は必要なのでしょうか? オートバックスセブンIR・広報部の鈴木政和さんに聞きました。

毎日乗っている車は?

暖機運転の目的は、ガソリンをスムーズに気化させ、エンジンを暖めて内部にオイルを循環させることなどです。昔の車は燃料の噴射がうまくいかないケースが多くオイルの性能も悪かったために必ず暖機運転をしていました。
「ここ10年くらいの新しい車は、電気制御よって燃料の噴射量などを適切に制御し、出だしがスムーズになり、オイルの性能も向上しています。車の使用頻度にもよりますが、毎日乗っている車であれば暖機運転はしなくて大丈夫です」と鈴木さんは言います。
エンジンオイルは、エンジンを停止させるとエンジン最下部に溜まる仕組みになっていますが、近年の高性能エンジンオイルは、毎日車を使用していればエンジンを停止した後も内部にオイルの薄い膜を維持し、金属の摩耗を防いでくれるのです。

久しぶりに車に乗るときは?

「ただし、エンジンオイルの油膜は、時間の経過とともに薄くなります。長期間車に乗らなかった場合は、始動時にはエンジンを保護するエンジンオイルがなくなり、金属同士が密着した状態になっています。そこで急激にエンジンをかけてすぐ走り出すとエンジンが傷みやすくなりますから、久しぶりに車に乗る時はエンジンの回転数が落ち着くまで30秒〜1分程度は暖機運転をした方が良いでしょう」と鈴木さんはアドバイスします。

アイドリングを禁止する自治体も!?

駐車中に自動車のエンジンをかけ続けるアイドリングは、付近に住む人々に大気汚染や騒音の問題を引き起こすこともあります。そのため、東京都をはじめ神奈川県、埼玉県などの首都圏では、環境保全の観点から条例で自動車等を駐車または停車するときはエンジンを停止(アイドリング・ストップ)することを義務付けています。無駄なアイドリングをしないのが時代の流れです。
「厳寒の地域での朝一番の始動時は、車種によってはエンジンの状態が安定しない場合がありますが、今の車ならほぼ問題ありません。寒冷地の場合は、車内の暖めやガラスの凍結解除のためにアイドリングすることがあるでしょうが、凍結防止にはフロントカバーを用いるなどして、なるべくアイドリングの時間を減らすように努めましょう」(鈴木さん)

走行しながらの暖機を

車の精度の飛躍により、先に述べたとおりアイドリング状態での暖機運転の必要性はありません。しかし、エンジンを良好に保つためには、走行しながらの暖機運転(暖機走行)を鈴木さんは勧めます。
エンジンが冷えている状態でも走り出しは可能ですが、一気に高回転で運転し始めると、エンジン不調や駆動系トラブルの原因になります。「ウォームアップのつもりで最初はアクセルをじんわり踏んでゆき、しばらくは低めに回転数を保ちながら運転しましょう」(鈴木さん)
エンジンオイルの交換等のメンテンスをきちんと行い、暖機運転をするかどうかは車の使用頻度によって判断してください。そして発進後は、急に回転を上げたり高負荷をかけないよう、暖機走行を心がけましょう。


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