目安は30分!? 芯まで温まるのに効果的な長風呂の意外なデメリットとは

2021年2月9日(火)11時20分 ウェザーニュース

2021/02/09 11:15 ウェザーニュース

暦の上では春ですが、まだまだ寒さは続きます。寒い時季に1日の疲れを取るには、お風呂で温まるのがオススメです。ただ、長風呂にはデメリットも多いといいます。詳しい話を、入浴剤などの製造販売も手がけるアース製薬の高橋美沙子さんに伺いました。

入浴の効果がデメリットに働くことも

寒い日に冷えた体を温めるためには、なるべく長くお湯に浸かっていたいと思うものです。お風呂に長く入ることでさまざまな効果が期待できるといいます。
「まず、入浴により身体に3つの作用が働きます。1つめは、身体が温まる『温熱作用』。血行がよくなり、老廃物や疲労物質の排出も促されます。2つめは、『水圧作用』。水圧が手足の血管や腹部の内臓に影響して、血液やリンパの流れがよくなります。そして、『浮力作用』。水中に入ると浮力により体が軽く感じますが、筋肉や関節の負担が軽くなることで脳への刺激も減り、リラックスできるのです。
ゆっくりお風呂に浸かれば、身体の芯まで温まって湯上がり後もポカポカしますし、疲労回復やむくみの緩和といった効果があります。
しかし、ほどほどが大切です。一般的に30分を超える長風呂では、デメリットが起こる場合があります」(アース製薬高橋さん)

長風呂の4つのデメリット

(1)脱水症状の危険


冬の入浴でも気をつけたいのが、脱水症状だといいます。「長時間温かいお湯に浸かっていると、気づかぬうちに汗をたくさんかいて脱水症状を起こす危険があるのです。場合によっては、熱中症の心配もあります」(高橋さん)

(2)肌の乾燥につながることも


お湯に浸かると肌がしっとりしますが、実は逆効果のこともあります。「長く湯に浸かり過ぎると、皮脂などの保湿成分が洗い流されてしまうのです。肌のバリア機能が低下し、乾燥につながります」(高橋さん)
お風呂上がりの保湿ケアは必須。肌への潤い効果のあるタイプの入浴剤を使うのもよいそうです。

(3)寝つきが悪くなる


入浴後の眠りに影響が出ることもあります。
「42℃以上の熱めの湯に長時間浸かると、交感神経が活性化します。交感神経は、脈拍や血圧、消化などの生命活動を維持・調節する自律神経のうち“活発モード”に働くものです。交感神経が優位になることで、頭が冴えて寝つきが悪くなってしまうことがあるのです。
一般的に体温が下がる時に眠たくなると言われています。夜のお風呂は睡眠の2時間前に、38℃程度のぬるめの湯で30分までを目安としましょう。布団に入る頃に体温が下がってくるため、スムーズに眠りにつけます」(高橋さん)

(4)心臓や肺への負担がある


お風呂の水圧は心地よいものですが、体にとっては負担でもあります。
「お湯に浸かる時間に比例して、心臓や肺への負担も増してしまうのです。あまり感じないかもしれませんが、体力も少しずつ奪われています。長めに湯に浸かりたいなら、半身浴がおすすめです。冬は上半身が冷えやすいので、浴室内の気温が下がりすぎないよう注意して行いましょう」(高橋さん)
1日の疲れやストレスから解放してくれる温かいお風呂、デメリットに気をつけて健康的に楽しみたいものです。

参考資料など

アース製薬「お風呂ナビ」(https://www.earth.jp/ofuro/)

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