南の空の1等星 カノープスを見つけよう!

2019年2月10日(日)18時0分 ウェザーニュース


2019/02/10 16:05 ウェザーニュース

冬に見頃を迎える星座の領域をみると7つの1等星が競うように輝いており、今の時期の星空は1年でもっともきらびやかなシーズンと言えます。

冬の星空を彩る7つの1等星

これだけも十分私達を楽しませてくれているのですが、実は今の時期に見頃をむかえる1等星がもう1つあるのをご存知でしょうか?
それはりゅうこつ座のカノープスという星です。カノープスは−0.7等と非常に明るく、シリウスの−1.5等に次いで恒星としては全天で2番目に明るい星です。

カノープスが見られる方向は?

夜空に輝くカノープス(沖縄県)

北半球では、多くの星は地平線から昇ったあと、真南の方角で一番空の高い位置に昇ります(南中)。
カノープスは、日本で見るとほとんどのエリアで南の空の低くところまでしか昇らないことから、地球の大気の影響を受けて本来より暗く赤っぽい色に見えます。このため本来の明るさに反して、見つけにくい星の一つと言えます。
おとなりの中国では、縁起のいい赤色の見た目とその見つけにくさから、カノープスを「南極老人星」や「寿星」と呼び、見ると長生きできるという言い伝えがあったと言われています。

カノープスが見える場所は?

カノープスは南の地域ほど高く昇るため、日本では沖縄が最も観測しやすいエリアと言えます。
反対に、北のエリアに行くほどカノープスの南中高度は低くなり、新潟県新潟市から福島県相馬市を結んだラインより北のエリアでは、地平線より上に昇らないため、全く観測することができません。
このためカノープスが見えるのは、北限よりも南のエリアで、南の視界が地平線・水平線まで開けた場所であることが条件となります。
また、標高の高い山では見つけやすいものの、カノープスが見頃を迎える今の時期は山へのアクセスは雪で厳しいところもあるので、決して無理はしないようにしましょう。
都心など市街地では、高層ビルの展望台から見るのがオススメです。
東京の場合、2月は20時頃に最も高く昇るので、機会があれば南の空低くに輝くカノープスを探してみて下さい。

南の空に輝くカノープス(撮影:沖縄県伊良部島)


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