食器洗いがきっかけで発症することも? 「寒冷じんましん」とは
2025年2月10日(月)5時10分 ウェザーニュース
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2025/02/10 05:02 ウェザーニュース
2月は寒波が襲来し、厳しい寒さの日が多くなっています。
皮膚にブツブツや赤みができてかゆいことはないでしょうか。こういった皮膚の不調には様々な原因がありますが、寒さや冷たさの刺激に反応して起きるじんましん(蕁麻疹)が、寒冷じんましんです。
寒冷じんましんに注意したい状況、予防策など詳しく教えていただきましょう。
突然現れるかゆいブツブツ、赤み
じんましんというと、食物アレルギーや細菌・ウイルス感染によるもののイメージがあります。
「物理性じんましんといって、摩擦や圧迫、日光、気温など物理的な刺激により発症するじんましんもあり、寒冷じんましんはその1つです。寒さや冷たさといった『寒冷刺激』により発症します。
寒い日に冷たい空気などに触れた部位に発症したり、冷たい水で手や食器を洗ったりしたときに手に現れるなどです。冬にジョギングなど運動したあと、汗が冷えて発症するケースもあります」(はなふさ皮膚科理事長・花房火月先生)
乾燥など皮膚にトラブルが起きる原因はほかにもあります。
「寒冷じんましんは、寒冷刺激のあった直後〜数十分後に現れます。ほとんどは寒冷刺激による発症から数十分〜数時間、長くても1日ほどでなくなります。
ただ、寒冷じんましんであることに気づかず冷たいプールで泳ぐなどして、ショック症状を起こす例もあるので注意が必要です。寒冷刺激を受けることで、症状が繰り返すこともあります」(花房先生)
寒冷刺激の要因は?
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寒冷じんましんは、どのようなときに起きやすいのでしょうか。
「今の時季に多いのは、冷たい風に当たったときです。暖かい室内から外に出て、服から露出している部位にじんましんが出るのです。
手を洗うときや食器を洗うときに、冷たい水の刺激で出ることもあります。
気づきにくいのが、運動後の汗が冷えて出るものです。ジョギングなどした後に、汗が冷えることで寒冷じんましんが出ます。
ほかに、アイスクリームのような冷たいものを食べたり、冷たい飲み物を飲んだりしたときに、唇が腫れてかゆくなる例もあります」(花房先生)
かゆくても冷やすのはダメ!
寒冷じんましんに気づいたら、どうしたらよいのでしょうか。
「軽度の寒冷じんましんならば、時間がたつとたいてい自然に治ります。かゆみやブツブツに気づいたら、かかないようにして温かくしましょう。たいてい数分から数十分で症状が落ち着きます。
生活のなかで原因となっている寒冷刺激見つけ、できるだけ避けるようにしましょう。例えば、冷風に当たってじんましんができるなら、マフラーや手袋、重ね着をするなどです」(花房先生)
強いかゆみなどの症状が続いたり、繰り返したり、徐々に悪化する場合は病院を受診しましょう。
「寒冷じんましんはそれほど頻度の高い病気ではなく、検査をすると普通の蕁麻疹や手湿疹のことも多いです。
しかし、本当に寒冷じんましんで症状に気づいていなかった場合、全身を冷やしたとき重篤な症状につながることもあります。
また、かゆみやブツブツには他の病気が隠れていることもあります。気になることがある場合は、早めに受診しましょう」(花房先生)
まだまだ寒さの厳しい時期が続きますが、体を冷やさないようしっかり対策を行ってください。