週刊地震情報 2024.2.11 和歌山県北部の地震で震度4 浅い震源の地震が多い地域

2024年2月11日(日)10時30分 ウェザーニュース

2024/02/11 10:23 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べるとに少ない水準です。
能登半島地震の余震とみられる有感地震が減少し、1日あたり5回前後で推移しています。震度3以上の地震は能登半島周辺で2回、そのほかの地域で2回でした。(2月5日〜11日10時の集計)

国内:和歌山県北部のM4.1で最大震度4

和歌山県北部の地震

7日(水)20時59分頃、和歌山県北部を震源とするマグニチュード4.1、深さ7kmと推定される地震が発生しました。この地震で和歌山県湯浅町で最大震度4、海南市、御坊市、広川町、日高町などで震度3を観測しています。
和歌山県北部を震源とする震度4以上の地震は2022年4月以来2年ぶりです。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。
今回の震源周辺では知られている活断層はないものの、フィリピン海プレートの沈み込む角度の違いや地質の影響などで、地震活動が活発な地域です。マグニチュード5前後が頻繁に発生し、今回の地震のように震源の深さが10km未満と非常に浅いため、揺れが大きくなることがあります。
2011年7月には今回の震源とほぼ同じあたりでマグニチュード5.5の地震が発生し、最大震度は5強を観測しました。

国内:伊豆半島東方沖で深発地震 異常震域がみられる

9日(金)17時42分頃、伊豆半島東方沖を震源とするマグニチュード4.9、深さ172kmと推定される地震が発生しました。この地震で東京都千代田区、練馬区、神奈川県横浜市、川崎市、千葉県市川市、木更津市、栃木県宇都宮市など関東を中心とする広い範囲で震度2を観測しています。
震源の浅い地震では、震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。震央の近傍では揺れが小さくても、遠方に強い揺れが伝わることがあるため注意が必要です。
東海地方の沖では深発地震がしばしば発生しています。2022年には三重県南東沖でマグニチュード6.4、2014年には今回と近い伊豆大島近海でマグニチュード6.0の地震が起きて、東京都千代田区で最大震度5弱の揺れを観測しました。

世界:ハワイ島でM5.7の地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しました。最も大きな規模の地震はケルマディック諸島で発生したマグニチュード6.1です。
今週はハワイで発生した地震に注目します。日本時間の10日(土)早朝、ハワイ島の南部を震源とするマグニチュード5.7、深さ約37kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは横ずれ型に近いタイプと解析されています。
この地震で震央近くでは改正メルカリ震度階級でVIIの強い揺れがあったとみられます。
キラウェア火山で知られるハワイ島は地震も多く発生します。特に今回の地震があった南部の地域は地震活動が活発で、2021年には少し沖合でマグニチュード6.2、2018年にはマグニチュード6.9の規模の大きな地震がありました。2018年の地震発生時はキラウェア火山の噴火も同時に起きています。

出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。

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