中国人エコノミストが明言「習近平が最も恐れていること」

2月12日(火)7時0分 文春オンライン


習近平国家主席 ©getty


 アメリカと中国——2つの超大国の衝突が、2019年の国際社会を揺さぶっている。


 昨年、「知的財産権の侵害」を理由にアメリカが中国に対する関税制裁を表明して勃発した両国の貿易戦争は、双方による関税の掛け合いを経て、12月1日の米中首脳会談以降、現在は“休戦中”だ。1月末に中国の劉鶴副総理がアメリカへ飛び、2月中旬にムニューシン財務長官らが訪中するなど調整が続いているものの、“最大の不確定要素”であるトランプ大統領の言動によっては、対立がいっそう先鋭化する恐れもある。


 そんな中、「文藝春秋」は、米中関係に詳しい有識者4名による座談会を開催した。


 元米国国務省東アジア・太平洋局日本部部長のケビン・メア氏、元外務官僚の宮家邦彦氏、中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聰氏、中国出身エコノミストの呉軍華氏(日本総研)が、米中関係の今後について徹底討論を行ったのだ( 「文藝春秋」3月号 「トランプvs.習近平『悪』はどっちだ」)。


 今回、座談会に出席した4人の見解が一致していたのは、「アメリカは今、中国にこれまでにない恐怖を感じている」(宮家氏)という点だ。米国務省で勤務経験のあるメア氏によると、「確かにアメリカ政府は中国を『脅威』と位置付けている」という。そして、「(中国=脅威という)アメリカの考え方は、昨年10月のマイク・ペンス副大統領の演説によく表れていた」(富坂氏)。



 経済的にも軍事的にも巨大化し、アメリカの脅威となりつつある中国——。しかし、「最高指導者・習近平国家主席にとっての“脅威”がある」と指摘するのは、中国出身のエコノミスト・呉氏である。


「アメリカによる『ピンポイント・アタック』。つまり、有力者や企業、機関を対象にした制裁を恐れていると思います。昨年9月、アメリカは人民解放軍の兵器管理部門である李尚福中央軍事委員会装備発展部部長を制裁対象にしました。個人が対象になったのは初めてです。今後、共産党の高官や共産党に近い実力者が次々と制裁対象になれば、指導部の求心力に影響が出る可能性があります」


 なぜそう言えるのか。呉氏は、中国現代史の最大のターニングポイントとなった“ある事件”を踏まえて、こう指摘する。



「1989年の天安門事件が(あれほどの)大騒動になったのは、学生運動の評価をめぐって指導部内で意見相違が生じたせいということを忘れてはなりません」


 その他にも、ファーウェイ事件の真相、尖閣諸島周辺における中国海軍の動き、ワシントンにおける本当のトランプ評価……など、座談会の話題は多岐にわたった。4名による“米中対立”の詳細な分析は、 「文藝春秋」3月号 に全文掲載されている。



(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年3月号)

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