なぜ、早めのスタートが肝心? 今からできる花粉症の初期療法のメリットとは

2024年2月12日(月)5時11分 ウェザーニュース

2024/02/12 05:11 ウェザーニュース

まだ寒さが残っていますが、そろそろ気になってくるのが花粉です。今年は暖冬だった影響が様々に出ていますが、スギ花粉もその1つ。全国的に飛散開始が早まる予想で、飛散量も平年並みから平年を上回るとされています。
ウェザーニュースが花粉に関するアンケート調査を実施した所、花粉を感じるという回答が関東や東海では50%近くに上るなど、花粉を感じ始めている人が増えています。

本格的に飛散し始める前に「花粉症の人が少しでも楽に花粉症シーズンを乗り切るために、今からの治療を」と訴えるのは大阪はびきの医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科医務局長・主任部長の川島佳代子先生です。
今からやっておきたい花粉症対策を教えていただきましょう。

花粉症対策で個人ができること

春は花粉症の人にとっては辛い季節。くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、ひどい人では頭痛や下痢、食欲減退、微熱などが引き起こされることもあります。
「花粉症は、スギ花粉などが体内に入ったときにアレルギー反応により、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が起きる病気です。
花粉症対策で個人ができることとしては、花粉を避ける、症状を抑える対症療法、花粉症を根本的に治療するアレルゲン免疫療法の3つがあります。
アレルゲン免疫療法は、アレルゲン(抗原)を少量体内に入れることでアレルギー反応を和らげるもので、以前は『減感作療法』と呼ばれていました。治療には数年かかり、原因となる花粉の飛散期には行いません。
今から病院で受けられる治療は薬による対症療法なのですが、これは早めにスタートするのが望ましいのです」(川島先生)

初期療法は早めのスタートが肝心

スギ花粉の飛散は、早いところでは1月下旬から始まりますが、本格的に飛散するのは2月中旬から3月上旬にかけてと予想されています。なぜ、薬による対症療法を早めにスタートした方がよいのでしょうか。
「『初期療法』と呼ばれている方法ですが、早くから薬を使うことにより症状の発症を遅らせ、シーズン中の症状も軽めになるからです。
花粉症の対症療法は、抗ヒスタミン薬の内服や鼻噴霧用ステロイド薬などを使って、出てくる症状を抑えます。これらの薬は、早くから連用することで、症状の改善率が上がることが示されています。
また、早めに薬を使い始めることで、鼻粘膜の炎症がひどくならないうちに治療でき、症状の悪化が抑えられます。結果として、シーズンを通して使う薬の量も抑えることができます」(川島先生)
具体的にはどのように行えばいいのでしょうか。
「花粉症の人はシーズンの半月ほど前から、薬を内服したり、点鼻を始めます。耳鼻科や耳鼻咽喉科、アレルギー科などで医師に相談してください。
お住まいの地域のアレルギー専門医のいる病院は、アレルギーポータルサイトなどで探すことができます。自覚症状が出る前から治療をスタートさせたいので、早めに相談することをおすすめします」(川島先生)
ほかにできることはあるでしょうか。
「原因となる花粉は、目や鼻、口などから体内に入ってきます。花粉飛散の時期は、外出時にマスクや帽子、眼鏡を着用するほか、花粉のつきにくい素材の服装を選ぶなどするといいでしょう。帰宅したら、うがいや洗顔、手洗いで花粉を落とします。
天気予報などで花粉の飛びやすいときに、外出を避けるのも効果的です。また、喫煙は鼻などの粘膜を刺激し、花粉症を悪化させる可能性があります」(川島先生)
春を少しでも快適に過ごすために、花粉症が心配な人は初期療法を検討してみてはいかがでしょうか。

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