「池袋暴走」飯塚元院長 厳罰を求める署名は39万筆以上 裁判はどうなる?

2月15日(土)7時0分 文春オンライン

 昨年4月、東京・池袋で松永真菜さん(当時31)と娘の莉子ちゃん(当時3)が暴走車に撥ねられ即死し、通行人ら9人が重軽傷を負った事故から293日。運転していた飯塚幸三・旧通産省工業技術院元院長(88)が2月6日、過失運転致死傷の罪で東京地検によってようやく在宅起訴された。



昨年6月、事故の実況見分に立ち会う飯塚元院長 ©共同通信社


「この10カ月間、悲しみと苦しみの中でもがきながら、ようやく一歩が踏み出せる。在宅起訴であっても、裁判まで長引かないようにしていただきたい」


 妻と子の命を奪われた遺族の松永さん(33)は起訴後、会見でこう語った。


 飯塚自身も負傷していたため、警視庁は逮捕せずに任意で捜査を実施。事故から7カ月後の昨年11月、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて書類送検していた。社会部記者の解説。


「飯塚の所在が確認できていることや、証拠の収集が十分だったことで逮捕に踏み切らなかったようです。起訴まで時間がかかったのは、在宅のままの捜査だったため、原則10日の勾留期間などのルールが適用されず、時間制限が設けられなかったことや、被害者の数も多く、彼ら全員に実況見分をしてもらっていたことなどが考えられます」


 捜査が任意で進んだことで、飯塚の“元官僚”という肩書が身柄拘束の判断に影響したのではという憶測が飛び、“上級国民”なる言葉も生まれた。


「逮捕後の飯塚のふるまいも、世間の不信感をさらに煽っていました」(同前)



公判が引き延ばしされるのはどんなケースか


 飯塚は事故直後、「ブレーキがきかなかった」と車両の不具合を主張。送検前にはTBS記者の取材に、「体力にその当時は自信があったけど」「おごりがあったのかなと思い反省している」。さらに「安全な車を開発するようメーカーの方に心掛けていただき、高齢者が安心して運転できるような世の中になってほしい」などと述べていた。


 厳罰を求める署名運動を行ってきた松永さんのもとには老若男女問わず、39万筆以上が集まっている。


「真実が知りたい。法廷で加害者当人に妻と娘の命の尊さを知ってもらいたい」と語る松永さんは、被害者参加制度を使って裁判に出席し、飯塚に事故時のことを直接質問したい考えだ。


 公判開始時期は未定だが、“引き延ばし”される可能性も。司法関係者が語る。


「もし被告が公判前整理手続を求め、裁判所が認めた場合、裁判開始まで10カ月くらいかかってしまいます。昔は高齢者による事故はほとんど執行猶予が付きましたが、近年は厳しくなっており、禁錮2年ほどの実刑が下る可能性もあります」


 一刻も早く公平な裁判をスタートさせてほしい。



(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年2月20日号)

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