杉山晋輔駐米大使インタビュー「米慰安婦像は遺憾。誤解を解く」「対中国で米国と意思疎通する役目を自覚」

2月15日(木)22時18分 産経新聞

インタビューを受ける、3月から駐米大使として赴任する杉山晋輔氏=15日午前、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)

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 杉山晋輔駐米大使は15日、産経新聞のインタビューで、米国内に設置されている慰安婦像について「大変遺憾だ」と述べた。その上で「日本を代表する立場の者として、総領事とともにこれまで以上に努力し、誤解を解いていきたい」と語り、主要都市に足を運んで日本の考え方を発信していく考えを示した。外務省によると、米国内に設置された慰安婦の像や碑は6州12カ所に上る。

 また、中国の急速な軍拡や東シナ海での挑発行動などに触れ「日本として言うべきことを言わないといけない。米国も日本と考え方は近いと思うので、ワシントンで米国と意思疎通する役目を負っていると自覚している」と強調。安倍晋三首相とトランプ米大統領の関係については「信頼関係に基づいた極めて強固な関係」と述べた。

 杉山氏はアジア大洋州局長、外務事務次官などを経て1月29日付で駐米大使に就任。3月末に現地に赴任する。杉山氏がインタビューで答えた主な内容は次の通り。

◇ 

 日米同盟が基軸という日本外交の姿勢は今後も変わりません。これだけの日米両首脳の信頼関係が築き上げられたのは安倍晋三首相の特筆すべき指導力です。

 ただ、どんな同盟関係でも毎日いろんなことに気を配り、意を用いる必要がある。首脳間の固い信頼関係があるからといって、ずっと続くと思うのは決定的な間違いです。

 日米関係は投資、貿易、安全保障体制をどう運用していくかという2国間の文脈も大きいが、世界の中でも重要な意味を持っている。そう考えると、対中関係をどうするか、あるいは国際関係の中で同盟をどう運用していくかが非常に重要です。

 よく誤解されますが、日本と米国が協力し、中国に対峙するということではありません。しかし、中国の軍事費は過去29年間で約49倍の伸びを示し、昨年の中国の国防予算は日本の約3・6倍です。それも必ずしも透明ではない。東シナ海、南シナ海の問題が解決されているとは到底言えません。

 日本として言うべきことを言わなければならない。米国も日本と考え方は非常に近いと思うので、ワシントンで米国と意思疎通する役目を負っていると自覚しています。

■   ■ 

 米国でもいろいろなところに慰安婦像が建ち、関係する決議が議会で通っている。大変遺憾なことです。日本を代表する立場の者として、できるだけいろんな地方に足を延ばし、総領事とともに肩を並べてこれまで以上に努力し、誤解を解いていきたい。

 私自身、2016年の国連女子差別撤廃委員会で、慰安婦に関する日本の考え方を説明しました。

 《杉山氏は外務審議官だった平成28年2月、国連女子差別撤廃委で、軍による慰安婦強制連行を報じた朝日新聞の誤りを指摘し、「性奴隷」との表現にも「事実に反する」と主張した》

 あのときに言った内容は鮮明に頭に入っています。日本政府の立場は、あれに尽きています。ああいう日本の非常に明確な確固たる立場があるので、皆さんにわかってもらう努力をするのが大使の重要な役目の一つだと確信しています。

■   ■ 

 日米間には710億ドルの対日貿易赤字があるが、瞬間瞬間の2国間の数字を考えるべきではなく、グローバルに全体を見て考えるべきです。米国にはもっと大きな貿易赤字を抱える国(中国)もあります。

 さはさりながら、この問題に関しては、政治的にできることをやっていくべきです。

 現地の政治的要請には日本側も努力しなければならないし、米側も努力をしなきゃいけない。

 日本で作ったモノを単に輸出するだけではなく、米国に直接投資し、雇用を生み、米経済に貢献していく。そういった全体のことを麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領の枠組みでやろうとしているし、そんなに遠くない将来に、いろいろなことが起こってくるでしょう。

(大橋拓史)

産経新聞

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