新型肺炎 国内感染踏まえた医療体制を

2月15日(土)5時0分 読売新聞

 新型肺炎の感染拡大が新たな局面を迎えつつある。政府は国内感染者の増加を前提に、医療体制の強化を急ぐべきだ。

 これまで国内で見つかった感染者は、中国から帰国した人や、中国人観光客に接した人だった。ところが、和歌山県内で医師らが陽性と判定されるなど、中国との関連がたどれない感染者が確認され始めた。

 新型肺炎は感染しても症状が比較的軽い人が多い。検査してもウイルスが検出できないこともある。このような事情を考慮すれば、国内でも、すでに水面下で人から人への感染が進んでいる可能性が高いと見るのが自然だろう。

 現在、感染が疑われる人は「帰国者・接触者相談センター」に電話し、専門外来がある病院の紹介を受ける。今後は一般の病院でも、発熱などの症状がある患者について、新型肺炎の可能性を踏まえて診察に当たる必要がある。

 患者の受け入れ態勢を検討するうえで参考になるのが、2009年の新型インフルエンザだ。専門の「発熱外来」を設置したものの、インフルエンザ以外の発熱患者らも含めて多くの患者が殺到し、診察業務に支障をきたした。

 こうした教訓から、軽症者には自宅療養を勧めて重症者のベッドを確保したり、インフル患者を診察しない専門病院を指定したりするよう求めるガイドラインが作られた経緯がある。

 新型インフルでは、屋外に感染者を診察する仮設テントを設置し、そのほかの患者に感染が広がらないようにした例もあった。

 今回も、患者が急増した場合を想定し、軽症者と重症者を振り分ける手順や、病院ごとの役割分担を、政府があらかじめ検討しておくことが求められる。

 今後、ポイントとなるのは高齢者や持病を抱える人など、重症化するリスクが高い人をいかに守るかということである。

 高齢者がいる家庭や施設では、手洗いや消毒、体調管理に留意し、ウイルスを持ち込まないことが望まれる。感染の機会を減らすため、できる限り人混みを避けることも考えねばなるまい。

 国内で感染が広まれば、対策の軸足は、感染者を逐一追跡することから、重症者をいち早く見つけて治療することに移る。

 政府は必要とされる対応について国民に説明し、引き続き冷静な行動を呼びかけるべきだ。いたずらに不安をあおらないよう、感染者の症状や行動について、情報開示を徹底することが大切だ。

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