煮りんごやアップルパイ、りんごの栄養素は加熱するとどう変わる?

2021年2月19日(金)5時0分 ウェザーニュース

2021/02/19 05:42 ウェザーニュース

いまも店頭には、おいしそうなりんごが並んでいます。「1日1個のりんごは医者いらず」と言われるほど、りんごには健康維持に役立つ栄養成分が多く含まれていますが、加熱調理することで栄養成分が大きく変わるそうです。りんごの栄養成分について、詳しい話を管理栄養士の柴田聡美さんに伺いました。

りんご特有の成分、りんごポリフェノール

りんごは切ってから置いておくと切り口が茶色になってしまいます。これもりんごに含まれる栄養成分と関係があるのでしょうか。
「りんごにはカリウム、ビタミンCなどさまざまな栄養成分や腸活によい食物繊維ペクチンが豊富に含まれています。また、活性酸素を除去して抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富に含まれていて、これは『りんごポリフェノール』と呼ばれるりんご特有のものです。りんごを切ってしばらく置いておくと茶色く変色するのは、果肉が酸化しないようにポリフェノールが働いた結果です。
この『りんごポリフェノール』はさまざまな成分で構成されていますが、その60%は『プロシアニジン』と呼ばれる物質です。『プロシアニジン』は他のポリフェノール、たとえば緑茶の『カテキン』や赤ワインの『レスベラトロール』に比べて特に高い抗酸化力があるとされています」(柴田さん)

プロシアニジンを摂るなら生、ペクチンを摂るなら加熱

りんごに豊富に含まれる栄養成分はどのように調理すると効率的に摂ることができるのでしょうか。
「『プロシアニジン』は皮に多く含まれていますが、熱に弱いのが特徴です。電子レンジ500Wで1分程度であればあまり減りませんが、加熱し続けると『プロシアニジン』は減少してしまいます。そのため、『プロシアニジン』を効率よく摂りたいなら生で皮ごと、しかも切ったらすぐに食べる、がおすすめです。切ってから時間が経って茶色くなったりんごは、すでに『プロシアニジン』が働いて一部抗酸化力が落ちてしまっているからです。
逆に食物繊維の『ペクチン』は加熱調理がおすすめです。りんごの『ペクチン』は加熱調理すると抗酸化力が9倍に増える、という研究結果もあります。アップルパイや焼りんご、煮りんごやりんごジャムなどにすれば、ペクチンを効率よく摂ることができます」(柴田さん)
味や食感もそれぞれ個性があり、自分好みのものを選ぶのも楽しいりんご。いろいろな調理方法で栄養を効率よく摂り、体調を整えながら春に向けて備えましょう。

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