高崎「絶メシリスト」掲載の「カレーハウス印度屋」、コメ高騰で閉店へ…大病の先代を若手が継承したが
2025年2月22日(土)7時50分 読売新聞
閉店が決まった印度屋(18日、高崎市で)
なくすには惜しい絶品グルメとして群馬県高崎市のグルメサイト「絶メシリスト」に掲載されている同市飯塚町の人気カレー店「カレーハウス印度屋」が、24日の営業を最後に閉店する。2年前に若手経営者が店を引き継ぎ、事業承継の成功例として注目されていたが、人件費や原材料費の高騰に苦しみ、決断に追い込まれた。
印度屋は、昨年2月に亡くなった先代の荒木隆平さんが約40年前に開業。オリジナルの焼チーズカレーが看板メニューの人気店だが、60歳代で大病を患ったのを機に「レシピを残したい」と後継者を探した。
事業承継を支援する日本政策金融公庫と高崎商工会議所との連携で、同市でダーツバーを経営する周東祐一郎さん(29)が後継者に決まり、同じ場所で2023年5月に2代目として営業を始めた。荒木さんの秘伝のレシピを受け継いだほか、オリジナルメニューも開発。来客数も売り上げも倍増したという。
しかし、夫婦経営だった先代とは異なり、経営には家賃やスタッフの人件費がかかった。店内での注文にモバイルオーダーを導入して人件費を抑える工夫もしたが、「コメの値段が3倍になった」(周東さん)など物価高騰が追い打ちをかけた。周東さんは「マスター(荒木さん)にもお客さんにも申し訳ない。気持ちは閉店ではなく休店。また印度屋として再開したい」と話す。
絶メシリストには約60店が掲載されているが、店主の高齢化や後継者不在などの理由で、うち十数店が閉店した。リストを管理する高崎市は「後継者に応募してくれる人も多いが継承までいかない。地元で愛された味を残すため、市もリストをPRして絶メシ店を支援したい」としている。