「生活保護費の減額はデタラメ」と厚労省を一蹴した、大阪地裁判決の意義

2月26日(金)6時0分 ダイヤモンドオンライン

大阪地裁において、2013年に行われた生活保護基準引き下げの撤回を求める訴訟の判決が言い渡された。これは60年ぶりのことだ Photo:PIXTA

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デタラメな「裁量」は認めない
大阪地裁の明快な判断


 2月22日、大阪地裁において、2013年に行われた生活保護基準引き下げの撤回を求める訴訟の判決が言い渡された。判決内容は、原告であり生活保護のもとで暮らす人々の主張を、ほぼ全面的に認めたものであった。以下、判決骨子の全文を紹介したい。


「厚生労働大臣が平成25年から平成27年にかけて生活保護基準を減額改定した判断には、特異な物価上昇が起こった平成20年を起点に取り上げて物価の下落を考慮した点、生活扶助相当CPIという独自の指数に着目し、消費者物価指数の下落率よりも著しく大きい下落率を基に改定率を設定した点において、当系統の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性を欠き、最低限度の生活の具体化に係る判断の過程及び手続きに過誤、欠落があるといわざるを得ず、裁量権の範囲の逸脱またはその濫用があるというべきであるから、上記改定は生活保護法3条、8条2項の規定に違反し、違法である」


 2013年の生活保護基準引き下げに際して理由とされたのは、大幅な物価下落であった。その物価下落は、厚労省が独自に開発した物価指数「生活扶助相当CPI」によって導き出されたのだが、内実は「物価偽装」と呼ぶべきものであることが徐々に明らかにされてきた。


 判決は、「生活保護費は厚労大臣が裁量によって決めてよいことになっているけれど、そんなデタラメな根拠で勝手に決めるのは『裁量権』の正当な使い方とは言えません。違法です」と明確に判断した。


 この判決が確定すると、厚労大臣は2013年に遡って、減額した保護費を返還しなくてはならない。2013年に減額された保護費は、1年あたり約670億円であった。2013年8月から2021年3月までの7年8カ月分として計算すると、総額は約4670億円となる。通常、大臣とはいえ、独断でそれほど巨額の国費を動かすことには無理がある。しかし生活保護においては、可能なのだ。なぜなら、生活保護法8条がそのように規定しているからだ。相田みつを風に言えば、「生活保護費は厚労大臣のこころが決める」ということである。



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