★2025年3月の天体イベント★ 月や惑星に注目!水星が観測チャンスに

2025年3月1日(土)12時50分 ウェザーニュース

2025/03/01 12:47 ウェザーニュース

3月は日没後の西の空で「金星」と見頃を迎える「水星」が、南の空高くには「木星」と「火星」が輝きます。月と接近するタイミングもあるため注目です。
月がおうし座のすばる(M45・プレアデス星団)を隠す星食も起こります。晴れた日は空を見上げて、天体観測をお楽しみください。

細い月が水星に接近

3月は日の入り後の西の低空で「水星」と宵の明星の「金星」が輝きます。
3月スタートの1日(土)には、前日に新月を迎えた細い月が水星に接近するため注目です。水星はマイナス1.0等と明るく、水星の上にはさらに明るいマイナス4.6等の金星の姿があって目を引きます。
日の入り45分後の高度は6度前後とかなり低いため、西の方角が見渡せる開けたところから月と水星の接近をお楽しみください。
▼1日(土)の沈む時刻(東京)
水星 18:52 金星 20:06 月 19:02 太陽 17:36

細い月が金星に接近

3月2日(日)には、日の入り後の西の低空で細い月が金星に接近します。地球照を伴った幻想的な細い月と、非常に明るい金星の共演は見物です。
なお、この日の金星は月と同じような「三日月型」をしています。望遠鏡をお持ちの方は、金星の形にも注目してみてください。
月と金星の高度は日の入りから60分後で20度未満で、段々と沈んでいきます。空が暗くなったら早めに月と金星の接近をお楽しみください。
▼2日(日)の沈む時刻(東京)
水星 18:56 金星 20:02 月 20:14 太陽 17:37

月がすばるを隠す「すばる食」

3月5日(水)の22時頃〜6日(木)0時頃にかけて、月が「すばる(M45・プレアデス星団)」を隠す星食が起こります。月によって星団の星々が次々に隠れ・現れる様子は見物です。
すばる(M45・プレアデス星団)は、おうし座にある散開星団で、肉眼でもその姿をぼんやりと見ることができます。
5日(水)は22時頃から、月齢5.5の月の暗い縁(月の光っていない部分)からすばるの星たちが隠されていきます。東京では23時56分に月の入りとなるため、すばるが完全に出てくる前に月は沈みます。
双眼鏡や天体望遠鏡での観察がおすすめです。空の低い位置で起こるため、西北西の空が開けたところから、すばる食をお楽しみください。

月が木星と火星に接近

3月は日の入り後の南の空高くで「木星」と「火星」が輝く姿を見ることができます。木星と火星は夜空の中でも明るく、目を引きそうです。
3月6日(木)〜9日(日)にかけては、上弦前後の月が木星と火星のそばを通過していきます。月は6日(木)夕方から深夜にはマイナス2.3等の木星に近づき、8日(土)と9日(日)の夕方から未明にはマイナス0.1等の火星に接近するため注目です。
▼沈む時刻(東京)
・月と木星の接近
7日(金)  木星 0:39 火星 3:25 月 1:07
・月と火星の接近
9日(日)  木星 0:32 火星 3:17 月 3:05
10日(月) 木星 0:28 火星 3:14 月 3:50

水星が東方最大離角

「水星」が3月8日(土)に「東方最大離角(※)」を迎えます。日の入り直後の西の低空で、水星が普段よりも高く昇って見やすくなるため注目です。
3月4日(火)から12日(水)の間、東京では日の入り30分後の水星の高度は10度を超えます。他の地域でも大きな違いはなく、普段は見づらい水星を楽しむチャンスです。
今回は西の空で金星も輝いています。東方最大離角を迎える8日(土)には、水星はマイナス0.3等の明るさがありますが、金星はマイナス4.4等で一段と明るいため、金星を目印にして水星を探してみるのもおすすめです。
12日(水)の日の入り後には、水星と金星の接近も楽しむことができます。
▼8日(土)に沈む時刻(東京)
太陽 17:42、水星 19:10、金星 19:35
(※)東方最大離角
地球から見て水星が太陽から東側に最も離れる現象のこと。
地球の内側を公転する水星は、見かけ上では太陽から大きく離れることがなく、日の入り後の西の低空か、日の出前の東の低空にしか見えません。太陽から最も離れる最大離角の際は、日没後に普段よりも空高くに昇るため観測チャンスとなります。

3月の満月、英語で”Worm Moon”

農事暦における満月の呼び方

3月の月は、14日(金)15時55分頃に満月の瞬間を迎えます。
アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。農事暦(The Old Farmer's Almanac)によると、アメリカでは3月の満月を「ワームムーン(Worm Moon/イモムシ月)」と呼ぶようです。
暖かくなって地面からミミズ(Earthworm)が出てくるころ、またはカブトムシの幼虫(Worm)が木から出てくるころ、という意味で名付けられています。
14日(金)14時頃〜18時頃には、月が地球の影に隠される「皆既月食」が起こり、ハワイや南北アメリカなどで見られます。日本では北海道〜関東の一部で、部分食が終わる頃に月が昇ってきます。月の出から部分食の終了まで10分程度しかなく、月は非常に低いため、観察はとても難しいと予想されます。日本では半年後の9月8日(月)に皆既月食が見られます。
出典・参考
国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/
The Old Farmers' Almanac

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