インフルに効く消毒液が、ノロには効かない理由

3月3日(日)11時0分 ウェザーニュース


2019/03/03 11:51 ウェザーニュース

まだまだインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が気になる季節です。ビルやデパートの玄関にはポンプ式消毒液が置かれ、目にしている人も多いでしょう。

ウェザーニュースでアンケート調査を行ったところ、全体的に見ると「時々使う」という人が最も多く、過半数となりました。「いつも使う」人と合わせると、64%の人が消毒液を使用しているようです。

ところで、防ぎたい菌やウイルスによって、使うべき消毒液が異なることはご存知でしょうか。こうした場所に備えられた消毒液だけでは防げない菌やウイルスもあるのです。目的別の消毒液の使い分けをまとめてみました。

アルコール消毒が効果的なのは?

一般に消毒液として使用されている消毒用エタノールは、ウイルス本体を包み込んでいる「エンベロープ」という膜を持ったウイルスに対して消毒効果を発揮するとされています。

インフルエンザウイルスやRSウイルスなどはエンベロープを持ったウイルスです。消毒用エタノール(アルコール)は、これらのエンベロープを破壊してウイルスを消毒してくれるのです(エタノールは刺激性なので、傷がある場所には使用しないでください)。

ノロウィルスにエタノールは効かない?

しかしノロウイルスやロタウイルスは、そもそもエンベロープを持たず、アルコール商品では十分に消毒できないことがあります。ノロウィルスに接触した場合は、次亜塩素酸ナトリウムなどが含まれているものを使うか、しっかり石鹸で手洗いしてください。

また、こうした速乾性消毒液は頻繁に使用すると手荒れを招くことがあります。ハンドクリームやグリセリンなどで肌をしっかりケアするといいとされています。

消毒液の使いすぎに注意!

私たちは「感染したくない」と消毒に躍起になることもありますが、消毒のしすぎもよくありません。皮膚には日常的に1cm2あたり10万匹以上の常在菌がいますが、これら数種類の菌がバランスを保ち、拮抗(きっこう)現象が起こっていることで、新たな菌が侵入してきても定着できないようになっているのです。そのため消毒液の使いすぎは肌の細菌バランスを崩し、かえって病原菌が入ってきやすくなってしまう可能性があるといいます。

また、日本化学療法学会でも消毒薬抵抗菌の存在は認められています。抗菌作用に対して菌が耐性を持ってしまい、将来的に抗生物質などが効きにくくなってしまうかもしれないというのです。

いずれにしても都合の悪い菌だけを殺すことはできません。ノロウィルスなどは感染力が高く、接触してしまった際は、しっかり消毒する必要がありますが、日常生活においてはあまり神経質にならず、うまく菌と共存するという意識も大切です。

通常、手の消毒は、目に見える汚れがある場合、石鹸で汚れをとるようにしましょう。石鹸と流水による手洗いで十分だといわれています。目で確認できないような場合は、アルコールを含む速乾性擦り込み式手指消毒薬がいいでしょう。

まだまだ油断のならない季節が続きますが、正しい消毒に対する意識と方法を取り入れたいものです。


参考資料など

厚生労働省HP「インフルエンザ(総合ページ)」、厚生労働省「保育所における消毒の種類と使い方 」、ENIF医薬ニュース(Vol.22/2013)、『身近にあふれる「科学」が3時間でわかる本』(左巻健男、明日香出版)


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