★3月の天体イベント★  月と惑星に注目!金星食が見られる地域も

2023年3月4日(土)11時20分 ウェザーニュース

2023/02/28 13:00 ウェザーニュース

3月も金星や木星、火星が輝き、惑星同士の接近や月との接近があります。九州の一部地域や沖縄では金星食も起こるため注目です。

金星と木星が大接近

2月27日〜3月5日の日の入り30分後 西の空(東京)

日の入り後の西の空では「木星」が日ごとに高度が下がってくる一方で、宵の明星の「金星」は高度が上がってきます。
1カ月を通して徐々に近づいてきた木星と金星は、3月2日(木)に最も接近する見込みです。金星と木星は、月1個分が間に挟まる程度の間隔まで近づく大接近となります。
金星は約マイナス4等、木星は約マイナス2等でとても明るいため、寄り添う姿は日の入り後の空で目を引きそうです。
最接近の後も数日間は双眼鏡の同一視野内で見える程度に近いため、晴れた日は西の空を見上げて木星と金星をお楽しみください。
▼2日(木)の沈む時刻(東京)
木星 20:02、金星 20:03

3月の満月、英語で”Worm Moon”

農事暦における満月の呼び方

3月の月は、7日(火)21時40分頃に満月の瞬間を迎えます。
アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。
農事暦(The Old Farmer's Almanac)によると、アメリカでは3月の満月を「ワームムーン(Worm Moon/イモムシ月)」と呼ぶようです。
暖かくなって地面からミミズ(Earthworm)が出てくるころ、またはカブトムシの幼虫(Worm)が木から出てくるころ、という意味で名付けられているようです。

細い月が金星に大接近

3月24日の日の入り30分後 西の空(東京)

3月24日(金)、日の入り後の西の空で、細い月が金星に近づきます。地球照を伴った幻想的な細い月と明るい金星の共演は見物です。
目線を下に落とすと、木星の姿も見ることができます。
▼24日(金)の沈む時刻(東京)
月 20:46、金星 20:48、木星 19:00

日本の一部地域では「金星食」

九州南部で金星食が見らえるエリア

3月24日(金)、日本では九州の南西部から南西諸島にかけての地域で「金星食」が起こります。金星食は、地球からみて金星が月に隠される現象です。
今回は月の暗い輪郭に金星が隠れていく様子が見られます。空の非常に低い位置で起こるため、西から西北西の方角が水平線まで見渡せる場所からお楽しみください。

金星食の見え方と時刻(長崎と那覇)

金星食が見られる場所でも、金星がすっぽり月に隠れるところもあれば、金星の一部のみが月に隠れるところもあります。また、多くの地域では金星が月から出現する前に、月は地平線に沈みます。
<金星食の時刻(高度)>
■全行程が見られる地域
【五島】潜入開始:21時13分(2.3度)
    出現終了:21時25分(0.3度)
■金星の一部のみ月に隠される地域
【長崎】潜入開始:21時18分(0.7度)
    出現終了:21時19分(0.5度)
■潜入の途中で月が沈む地域
【天草】潜入開始:21時14分(1.1度)
【八千】潜入開始:21時16分(0.4度)
■潜入終了まで見られる地域(出現前に月没)
【宮崎】潜入開始:21時12分(0.4度)
【鹿児島】潜入開始:21時9分(1.4度)
【那覇】潜入開始:20時56分(4.8度)
月の沈む時刻も確認して、金星食をお楽しみください。

月が火星に接近

3月28日の20時頃 西の空(東京)

日が沈んだあと、暗くなった西の空で「火星」が輝きます。昨年末に地球へ最接近した頃に比べると明るさは落ちていますが、それでも1等星の明るさで夜空に彩りを加えています。
火星の周りには代表的な冬の星座や星もあるため、火星と一緒にぜひお楽しみください。
3月28日(火)には上弦直前の月が火星に接近して、西の夜空が一段と賑やかになるため注目です。
▼28日(火)の沈む時刻(東京)
月 24:58、火星 24:48

参考資料など

国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/

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