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【防大卒業式】〈稲田朋美防衛相の訓示(全文)〉「自衛隊に求められる役割や期待は一層大きくなっている」

産経新聞3月19日(日)16時48分

 稲田朋美防衛相は19日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式で訓示し、北朝鮮や中国などを念頭に「自衛隊に求められる役割や期待は一層大きくなっている」などと述べた。詳細は以下の通り。

     ◇

 本日ここに、安倍内閣総理大臣ご臨席の下、防衛大学校の卒業式が挙行されるにあたり、防衛大臣として一言申し上げます。

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 本日の皆さんの凛(りん)とした姿を見ると、昨年11月に行われた開校記念祭に訪れたときのことを思い出します。校内を歩き、各国留学生の皆さんと触れ合い、国際化されている防衛大学校の素晴らしさを実感しました。

 また、最後の棒倒しでは、皆さんの熱く力強く、気迫あふれる姿を目の当たりにして胸が熱くなったことを覚えています。そしていま、皆さん1人1人の顔を見渡すとき、私に向けられている皆さんのまなざしがさらにたくましく、気迫あふれるものであることに、喜びとともに頼もしさを感じています。

 「涙とともにパンを食べたものでなければ、人生の本当の味は分からない」

 これはドイツの詩人、ゲーテの言葉だとされています。この言葉は深く、いくつかの解釈があるのですが、日々何事もなく安穏と生きているだけでは人生の味は分からない。涙するほど苦労しなければ、本当の味は分からないということではないでしょうか。

 皆さんがこの小原台で過ごした年月は、うれしいこと、楽しいことばかりではなかったと思います。時にはつらく涙するほど苦しいことを乗り越えて、今日、この卒業式に臨んでいることと思います。

 その意味で皆さんが防衛大学校で過ごす中で、ゲーテの言葉にある「人生の本当の味」を味わう資格を得たのではないでしょうか。

 皆さんがこの防衛大学校の正門を初めてくぐったそのときと比べ、肉体だけでなく、その精神は一回りも二回りも大きくなったことでしょう。

 そして、伝統ある防衛大学校での教育を修め、卒業した皆さんは自衛隊における人生の本当の味をかみしめるべく、これからさまざまなことを創造し、さらに、たくましく成長されると確信しています。

 皆さんは先ほど学校長から卒業証書を受け取りました。この後、宣誓式に臨むこととなります。そこでは「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえること」と宣誓し、晴れて自衛官としての道を歩むことになります。

 防衛省・自衛隊の主たる任務は、わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、わが国を防衛することです。そのわが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。

 北朝鮮は昨年9月に5回目の核実験を強行しました。また、先日も弾道ミサイルを4発するなど、国際社会に対する挑戦と思われる行動を繰り返しています。

 これら一連の動向は、北朝鮮の核兵器開発をより一層進展させるとともに、その運搬手段となりうる弾道ミサイル能力の増強につながるものであり、わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威として、極めて強く懸念すべきものであります。こうした北朝鮮の行動から、昨年来、新たな段階の脅威に入っていると考えています。

 また中国は、東シナ海において、公船によるわが国尖閣諸島周辺の領海侵入を繰り返し、南シナ海においては、急速かつ大規模な埋め立てや、港湾、滑走路などの施設の建設を強行し、一方的な現状変更およびその既成事実化をより一層進展させており、今後の方向性について、強い懸念を抱かせる面があります。

 こうした中、わが国の防衛を担う自衛隊に求められる役割や期待は一層大きくなっています。皆さんはこうした現実を直視し、自衛隊への期待を受け止め、将来、幹部自衛官となるものとしての自覚を持ち、緊張感を持って任務に邁進(まいしん)してほしいと思います。

 また、災害派遣要請は地震、風水害、火山噴火、雪害等、多岐にわたり要請されます。近年では、高病原性鳥インフルエンザの発生に伴い、国内の各所で要請を受け、皆さんの先輩が活動しています。

 こうした活動は、必ずしも華々しいものではないかもしれません。しかし、その活動の1つ1つが国民の安全な生活につながっていることは疑いようがありません。そうした活動により、先輩たちが築き上げた自衛隊に対する国民の信頼と、それに伴う伝統という財産を余すことなく受け継ぎ、創造の精神を持って、より一層発展させてくれることと期待をしています。

 このように自衛隊はさまざまな場面で活躍していくなか、女性自衛官においても活躍の場が広がってきています。平成4年に防衛大学校に女子が初めて入校しましたが、その第一期生の中から一昨年には1佐が誕生しました。

 このように、皆さんの先輩である女性自衛官が部隊長として、あるいは護衛艦艦長として、各地の部隊等において責任ある立場に就き、部下を率いて職務に邁進し、大いに活躍しています。今後も女性自衛官の活躍の場は広がっていくことでしょう。

 各国からの留学生の皆さん。ここ小原台で過ごした生活は、母国の生活とは違い、慣れないことや、とまどうことが多かったと思います。その間、さまざまな困難を乗り越え、無事に卒業式を迎えた皆さんに敬意を表するとともに、心から誇りに思います。

 本校で得た知識や経験が母国において存分に生かされることを願うと共に、ここで育んだ友情は、真の友情であることを明記し、今後も母国とわが国との友好親善関係をより一層深化させるための懸け橋となってくれるよう、心から切望致します。

 最後になりましたが、これまで卒業生を育て、温かく見守ってくださったご家族の皆様、学生に対し多大なる情熱と愛情を持って教育に取り組んでこられた国分(良成)学校長を始めとする防衛大学校の教職員、そして、本日来賓としてお越しいただいている、日頃から防衛省・自衛隊に多大なるご理解、ご協力をたまわっております国会議員の先生方、協力団体や神奈川県、横須賀市をはじめとする地元自治体の皆様、優秀な若者の留学生にご尽力頂いた各国防衛関係の皆様、さらにはわが国の防衛にとって大事な役割を果たしておられる各国の代表者の皆様に深く感謝と御礼を申し上げ、私の訓示と致します。

平成29年3月19日 防衛大臣 稲田朋美

 皆さんの行く手に栄光あれ!おめでとうございます。

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データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア