NZモスク銃撃事件容疑者が「日本の多様性のなさ」を賞賛! ノルウェー連続テロ犯人は「麻生太郎に会いたい」

3月21日(木)7時0分 LITERA

安倍晋三twitterより

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ニュージーランドのクライストチャーチで引き起こされた銃乱射事件。オーストラリア国籍の男が2箇所のモスクを襲撃し、イスラム教徒の移民や難民を中心に約100名の人々を死傷させた。容疑者は犯行の模様をインターネットで中継。SNSに投稿した声明には、白人至上主義と差別主義が強くあらわれていた。差別思想に基づく劇場型のヘイトクライムだ。


 各国と比較してイスラム教徒が少ない日本だが、クライストチャーチでの凶行は他人事ではない。実際、容疑者の男の犯行声明からは、日本のレイシストとの共通点が確認できる。


たとえば、容疑者は「レイシスト」や「ファシスト」あるいは「民族ナショナリスト」(ethno-nationalist)を自認し、〈自分たちの人種の健康と幸福を重視し、それ以外の人種の上に置く〉などと述べる一方、自らを〈28歳の普通の白人男性〉〈普通の家庭に生まれた普通の白人〉と記している。


 一方、日本のレイシストやネット右翼たちも、SNSでは「ごく普通の日本人だ」と名乗りながら、嫌韓・中のヘイトスピーチを撒き散らし、在日コリアンや移民の排除・虐殺を扇動している。彼らが「普通の」という言葉で強調するのは、ダイバーシティ(多様性)の否定だ。つまり、ルーツや出身国によって「普通でない人」なるレッテルを貼り、自分たちが「普通の人」だとして排撃を正当化するのである。


 事実、容疑者は〈ダイバーシティは力ではない。統一性、目的、信頼、伝統、ナショナリズムと人種的ナショナリズムこそが〔国家に〕強さをもたらす。他のものはただのキャッチフレーズに過ぎない〉〈ダイバーシティは弱みであり、統一性こそが強みなのである〉と主張している。移民たちを白人社会に対する「侵略者」と位置付け、多様性を尊重する社会を明確に攻撃するのだ。


 また、犯行声明のなかには「日本」に触れている箇所もあった。容疑者は〈世界の「ダイバーシティ」な国々は社会的、政治的、宗教的あるいは民族的な紛争の舞台となっている〉と主張して、〈西洋の国々に力をもたらすもの(ダイバーシティ)が、東洋の国々(中国や日本、台湾、韓国)に力をもたらさないのはなぜか〉と述べる。そして、〈今世紀、世界の覇権を握ろうとしている国・中国が、ダイバーシティが欠如しているにもかかわらず、どれほど強力なことか。なぜ、これら多様性のない国々が、とても多くの様々な指標で見ても我々よりも栄えているのか〉と続けている。


 どうやら容疑者は、日本や中国など東アジアの国々をひとくくりにして“単一民族国家”、“多文化否定国家”ないしは“民族的・宗教的マイノリティを弾圧する国家”だと捉えて、憧れていたようだ。無知や誤解に基づく乱暴な思い込みも感じるが、しかし、少なくとも日本については、容疑者から「多様性のない国」と賞賛されても仕方のない部分があるのかもしれない。


 排外主義や歴史修正主義、マイノリティ差別は多くの国の極右勢力にみられる共通点だが、日本はその極右勢力と政権が一体化しているからだ。「日本は単一民族国家である」「神の国である」と主張する日本会議や神社本庁、そして「中国や韓国に日本が乗っ取られる」と、今回の容疑者と同様の主張をわめくネトウヨたちが安倍政権を支え、安倍政権もまた、その意向を意識した政策を推し進めている。


 そのことを如実に物語っていたのが、今回のNZモスク銃撃事件に対する安倍首相の反応だ。今回の危険に関して、安倍首相が出した声明は各国首脳と明らかに異なるものだったのだ。


●各国首脳が非難声明に使った「右翼」という言葉を削った安倍首相


 たとえばニュージーランドのアーダン首相は、容疑者を「暴力的な過激右派テロリスト」と呼び、「私たちが共通の価値観として掲げるのは多様性だ」と強調。ヒジャブを被って被害者家族を抱擁するなど、すぐさまムスリムコミュニティを守る行動に出た。トランプ米大統領からの電話にも「イスラム教徒のコミュニティに対する同情と愛を歓迎する」と返答し、銃規制にも取りかかった。容疑者の出身地であるオーストラリアのモリソン首相もまた、声明で「私たちはここに立ち、過激派で右翼の暴力的テロリストによる犯行を絶対的に非難する」と明言している。


 ところが、安倍首相はどうだったか。各国首脳が哀悼のメッセージを送るなか、安倍首相も15日にTwitterを更新。アーダン首相に宛てて「クライストチャーチで発生した卑劣なテロ攻撃を断固として非難します」「テロは、いかなる理由でも決して許されません。日本は、ニュージーランド及び国際社会と手を携えて、テロと断固として戦う決意です」などと投稿した。だが、アーダン首相やモリソン首相が犯人像として明言した「右翼」(right-wing)という言葉は使わなかった。ただ単に「terrorist」として「対峙する」と言っただけだ。


 これこそが、安倍首相が「右翼」と一体化し、排外主義やヘイトクライムになんの嫌悪感も抱いていないことの証明と言っていいだろう。


 実際、2016年の相模原殺傷事件の際にも、「被害者を追悼」「真相究明に全力」などの言葉を並べただけで、事件の背景が優生思想的な差別主義にあることに一切触れなかった。


 こうした安倍首相の姿勢が、人権や言論の自由が十分に保障されず、少数民族を弾圧している中国と同じレベルで、容疑者を惹きつけたのではないか。


●韓国・金浦空港で「韓国人は嫌いだ」とヘイトを叫んだのは厚労省職員だった


 実際、安倍政権を賞賛している差別排外主義テロリストは、今回の容疑者だけではない。NZモスク銃撃事件の容疑者は、前述の犯行声明のなかで、2011年に77名の人々が殺害されたノルウェー連続テロ事件の犯人(収監中)について触れており、この犯人とコンタクトをとったと主張している。


 このノルウェーテロ事件の犯人も、犯行直前にインターネット上で声明を出しており、そのなかで日本を“多文化主義を完全に排する”理想的な国の一例として賞賛。さらには「会ってみたい人」のひとりとして、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でのジェノサイドに関与したとされるラドヴァン・カラジッチらとともに、現政権の副総理である麻生太郎の名前をあげていた。


 ようするに、ヘイトクライムを起こしたテロリストが賞賛したくなるほど、この国は、政権与党の政治家たちを中心に、差別を扇動し、多様性を排除する方向へ突き進んでいるということだろう。


 奇しくも19日には、韓国の金浦空港で暴れた男が取り押さえられ、暴行容疑で警察の取り調べを受けた。「俺は韓国人が嫌いだ」などと叫んだこの男は、なんと厚労省の労働基準局賃金課長だった。官僚までがヘイトに侵食されている深刻さを直視しなくてはならない。


(編集部)


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