寝すぎるとよくないって本当? 適切な睡眠時間とは

2020年3月29日(日)5時0分 ウェザーニュース


2020/03/29 04:51 ウェザーニュース

春眠暁を覚えずと言いますが、春は眠気を強く感じることが多いもの。しかし、思い切り寝たあとは、かえってすっきりしないことがありますよね。睡眠時間の不思議について、眠りのプロに教えていただきます。

適切な睡眠時間とは?

寝ても寝ても寝たりない、朝の目覚めが辛いということはないでしょうか。
「日本は、睡眠不足の人が多いと言われています。弊社が2019年に行った『日本人の睡眠に関する意識・満足度調査』では、総睡眠時間が自分の理想に比べて足りているかという質問に、十分と答えたのは33.4%でした」と西川のスリープマスターの森優奈さんは指摘します。
「適切な睡眠時間は、大人であれば6〜8時間ぐらいと言われています。もちろん、年齢を重ねると短めになったり、個人によっても違いがあります。しかし、昼間に強い眠気を感じたり、あくびが頻繁に出るようなら、睡眠時間が十分ではない可能性が考えられます。
近年は、『睡眠負債』が健康や仕事のパフォーマンスに影響を与えると注目されています。睡眠負債とはアメリカの睡眠のエキスパートたちにより提唱された考え方で、毎日の生活のなかで徐々に溜まっていく睡眠不足をマイナス=負債ととらえるものです。睡眠負債は、“眠る”ことでしか返済できないとされています」(森さん)
確かに、慢性的な睡眠不足を自覚している人は多いもの。休日はその反動で丸一日眠りたくなります。
「私どもの睡眠白書による調査でも睡眠時間については、平日は7時間台が最も多く、次いで6時間台となりますが、休日は7時間台に続く8時間の割合が増えています。平日の睡眠不足を補うために休日に長めに寝ていることが考えられます。
ただ、睡眠時間は長ければよいというものではありません。長時間寝すぎると、体内時計のリズムを乱す原因となります。また、かえって疲れが残ったり、体のダルさや頭痛など不調を訴える人もいます」(森さん)

では、どのくらい眠ればよいのでしょうか。
「休日に眠るのは、『平日の睡眠時間+2時間まで』を目安としましょう。2時間を超えると、体内時計が狂って夜の睡眠が浅くなったり、寝つきが悪くなる可能性があります。
睡眠負債を溜めないためには休日に寝溜めするのではなく、平日の睡眠時間を確保したり、昼休みなどに15〜20分程度の昼寝で補うことが有効です。
横にならずに座ったままの状態で、12時〜15時の間に15分程度の昼寝をすることがおすすめです。深い眠りにはいってしまったり、長く寝すぎてしまったりすると、夜の睡眠に影響を及ぼす可能性があります」(森さん)

よい眠りを得るために

「睡眠の質を良くするために、睡眠環境を整えることも大切です。例えば、理想的な寝床内の環境は、温度33±1℃、湿度50±5%とされています。暖かくなる今の時期は、毛布や厚めのかけ布団、シーツといった冬仕様の寝具のままでは、寝心地が悪くなっているかもしれません。
また、日中に適度な運動をしたり、趣味の時間をつくるなどでストレスを溜めないことも大切です。寝る直前の食事は避け、スマホやゲーム、TV視聴を控えるなど、スムーズに入眠できるよう心がけましょう」(森さん)
心地よい春の1日を楽しむためにも、夜はしっかり眠りたいものですね。


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