西日本、東日本の花粉は来週にもピーク越え 3月までの飛散量は昨年比2.6倍

2023年4月11日(火)12時0分 ウェザーニュース

第五回花粉飛散傾向

2023/04/13 12:04 ウェザーニュース

九州から東北の広い範囲で花粉が飛散中です。今後、西日本における花粉の飛散量は徐々に減少し、あと一週間から10日程度で飛散のピークを越えるとみています。ただ、ピークを越えても4月中は飛散が続くため、花粉症の方は対策が必要です。

■ポイント ■

・西日本、東日本の花粉飛散は来週にもピーク越え
・今年は飛散開始が昨年より早く 花粉症の発症も早まった
・今年の飛散量は昨年比2.6倍、症状は昨年より「つらい」と感じる人が多い

【現在】中国四国〜関東ではヒノキ花粉、東北ではスギ花粉が飛散中

現在、九州から東北の広い範囲で花粉が飛散中です。西日本や東海、関東ではスギ花粉の飛散がほぼ終了し、現在はヒノキ花粉の飛散が中心となっています。特に中国四国から東海で多くのヒノキ花粉が飛散しています。
一方、ヒノキ花粉の飛散量がもともと少ない北陸や東北では花粉の飛散は減少してきており、九州ではスギ花粉やヒノキ花粉ともに既にピークを越えた状況です。なお、北海道のシラカバ花粉はまだ飛散が始まっていません。

【今後の予想】西日本、東日本の花粉飛散は来週にもピーク越え

花粉の飛散ピーク予想

今後、西日本や東日本における花粉の飛散量は徐々に減少し、あと一週間から10日程度で飛散のピークを越えるとみています。ただ、ピークを越えても4月中は飛散が続くため、花粉症の方は対策が必要です。
これからシラカバ花粉のシーズンを迎える北海道では、高温傾向の影響により4月中旬以降各地でシラカバ花粉が飛び始める予想です。飛散ピークは道南や道央で4月下旬から5月上旬、道北や道東では5月上旬から中旬で、ちょうどゴールデンウィークと飛散のピークが重なる可能性があります。5月下旬には飛散量は少なくなる見込みです。

【今シーズンの特徴】
飛散開始が昨年より早く、発症が早まった

今年の2月は冬型の気圧配置になることが少なく、平均気温は西日本、東日本を中心に高くなりました。その影響で、2月上旬に九州でスギ花粉の飛散が始まり、中旬にかけて飛散エリアが西日本、東日本太平洋側に拡大しました。
飛散開始の時期は概ね平年並でしたが、強い寒気が居座った昨年と比べると10日前後早くなったエリアが多くなりました。2月下旬になると西日本、東日本で本格飛散シーズンに突入し、東北南部でも花粉の飛散が始まりました。
2月末以降は季節外れの暖かさが続き、東北北部では飛散開始、本格飛散ともに平年よりも1週間〜10日程度早くなりました。

花粉症、症状が出た時期の調査結果(2022年と2023年の比較)

今年の花粉症の発症時期について調べるため、スマホアプリ「ウェザーニュース」で調査を実施したところ、「早かった」と回答した方が55%と半数以上を占め、次いで「例年通り」が41%、「遅かった」が4%となりました。
2022年と比べると「例年通り」「遅かった」と回答した方が減少し、「早かった」が大幅に増加しました。今年は昨年よりも飛散開始が早かったため、発症も早かった方が多くなったと考えられます。

3月末までの飛散量は2022年の約2.6倍

2022年と2023年の東京都の花粉飛散量の累計

ウェザーニューズ独自の花粉観測機「ポールンロボ」による観測では、3月末までの全国の花粉飛散量は、昨年の約2.6倍となっています。東北北部など飛散量が概ね昨年並のエリアもある一方で、西日本の一部では飛散量が昨年の7倍前後に増えているエリアもあります。東京都では飛散量が昨年の約2倍となっています。
今後、飛散量は徐々に減っていきますが、まだ一時的に花粉が多く飛ぶ可能性があり、引き続き花粉の大量飛散に注意が必要です。
花粉の飛散量は主に前年の昨夏の日照時間や気温、年ごとの飛散量の増減傾向に左右されます。2022年の夏は北日本を中心に日照時間が平年をやや下回ったものの、平均気温は全国的に平年を大きく上回り、雄花の生長が促されたものと考えられます。また、飛散のピークを迎えた2月末から3月にかけて晴れて気温が高くなる日が多かったことも、飛散量の増加に寄与したと考えられます。

花粉症の症状は昨年より「つらい」と感じる人が多い

2022年と2023年の花粉症の症状報告「つらい」の割合

花粉症の症状のつらさはどうだったのか、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた症状報告を集計しました。
集計の結果、全エリアで昨年よりも症状がつらい方が多い傾向となりました。特に、西日本や東北南部ではつらい方の割合が10ポイント近く増加し、花粉症の方には過酷な春となったことがわかりました。飛散量が多かったことに加え、飛散開始やピーク時期が昨年より早かったことで、対策が間に合わず、つらいと感じる方が多かったと考えられます。

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