デタラメ!ポンコツ! “底抜け政権”に怒りまくる「日刊ゲンダイ」用語の基礎知識

4月13日(金)7時0分 文春オンライン

 朝日新聞が「面会記録に『首相案件』」とまたもスクープを放ってきた(4月10日)。


 森友、防衛省日報問題にあらためて加計学園も加わった。ラーメンで言えば全部乗せである。疑惑こってり。



疑惑こってりスクープ 4月10日朝日新聞朝刊


 日刊ゲンダイは「何から何まで『底』が抜けた国の無残」と1面に書いた。怒って嘆いてぶった切る。


「毎日怒ってるおじさん」の檄文的な言葉


 私はゲンダイを擬人化すると「毎日怒ってるおじさん」だと思うのです。


 その独特で強烈な言葉遣いには中毒性がある。拙著『芸人式新聞の読み方』で「ゲンダイ用語の基礎知識」という項目を書いたほどだ。


 たとえば「赤っ恥」。


 用例としては


「河野外相の赤っ恥『北が次の核実験用意』発言は根拠なし」(4月3日)


「激しい応酬で完敗 前川氏に“倍返し”された菅長官の赤っ恥」(2017年7月11日)



 続いて「笑止千万」。


「笑止千万 ハレンチ大臣『美学』 辞任の薄汚い裏側と今後」(2016年1月29日)


 立て看板か檄文にしたいほどのリズム。



出現率の高い「ハレンチ」「ペテン」「デタラメ」


 あとカタカナが多いのも特徴。「ハレンチ」「ペテン」「デタラメ」は出現率が高い。私は「ペテン」が好き。この言葉はもうゲンダイ師匠の紙面でしか見れないから。


「また安倍ペテン首相に騙されている国民 その先に待つ地獄」(2017年10月21日)


「共謀罪 安倍政権のペテンを糺す」(2017年5月11日)


 たまに出てくるのが「ポンコツ」だ。


「ゾンビ議員に極右 小池代表『希望の党』はポンコツだらけ」(2017年9月25日)


「日本はいいカモ 米兵器は使い物にならないポンコツだらけ」(2017年11月8日)



 どれも十分なインパクト。先日そのフレーズが久々に炸裂した。


「恐るべき隠蔽体質を生み出した 稲田元防衛相ポンコツ答弁」(4月6日)


 イヨ、待ってました!


 思わず掛け声をかけたくなるぶった切りではないか。ついでに「稲田さんお久しぶり」とも思う。素晴らしい見出しには主演も大切だとつくづく思う。



 今回の防衛省の「日報」問題。存在しないはずの日報が「存在した」。南スーダンの日報に続いてまた出てきた。今の防衛省ならツチノコも探索すれば見つけそうな勢い。


いつもの稲田朋美が帰ってきた


 私は先ほど「稲田さんお久しぶり」と書いたが、最初に懐かしさを感じたのがこれ。


「稲田氏『怒り禁じ得ず』」(東京新聞 4月5日)


《稲田朋美元防衛相は四日、陸上自衛隊がイラク派遣部隊の日報の存在を昨年三月に確認しながら防衛相在任中の自身に報告がなかったことについて「今日聞いて本当に驚いた。怒りを禁じ得ない」と語った。》


「防衛省は隠蔽(いんぺい)体質と言われても仕方がない。組織改革をやってほしい」とも。


 懐かしい……。ついついみんながツッコミになってしまう稲田劇場ふたたびではないか。ここで聞こえるツッコミは「え、稲田さんが言う!?」だろうか。



「稲田ポンコツ答弁」とは何か


 実際各紙を読んでみると、稲田氏は必ずしも被害者ではなさそうなのである。


「文書隠し 深まる疑念」(毎日新聞 4月4日)では、「調査中に稲田氏断定」という小見出しがある。昨年2月20日の国会での稲田氏の発言に注目する。



《当時の稲田朋美防衛相は20日の同委員会で「残っていないことを確認した」と断言した。

 だが、実際には防衛省内の調査は3月10日まで続いていた。最終的に文書は確認されなかったが、政府関係者は「稲田氏の答弁は踏み込み過ぎだ。『存否を確認できなかった』と答えるべきだった」と振り返る。》


 さらに、


「稲田氏指示あいまい 防衛省、本格調査せず」(読売 4月8日)


「稲田氏、探索指示は口頭」(日経 4月8日)


「日報探索『指示』伝わらず」(朝日 4月8日)


 と、稲田氏の指示のあいまいさが一斉に報じられた。



 さてここでゲンダイの「稲田ポンコツ答弁」の記事に戻ろう。


 稲田氏の答弁はこんな状況を生み出したというコメントが載っている。


「日報の存在を断定的に否定した大臣答弁が防衛省内部の配慮を生み、言うに言えない環境をつくり出したのではないか。財務省の森友文書改ざんの直前に、安倍首相が『私や妻が関係していたら間違いなく総理大臣も国会議員も辞める』と豪語したのと同じ構図です」(高千穂大の五野井郁夫教授=国際政治)


 つまり、森友問題における安倍発言と日報問題における稲田発言は非常に構図が似ているという見立てである。


日報問題の「つじつま」


 防衛省の隠蔽体質には、


「懲りない防衛省」(読売新聞 4月5日)


「揺らぐ文民統制 与党も批判」(産経新聞 4月5日)


 と防衛省の体質を書く記事も当然ある。



「背広・制服組、確執の歴史 日報問題に揺れる防衛省 風通しの悪さ改善されず」 (日経新聞電子版 4月5日)という記事も読ませた。


 一方で興味深いのは昨年3月に発見しながら先月小野寺防衛大臣に報告された日付だ。毎日新聞の社説(4月4日)の問いかけはハッとした。


《国会でこの問題が指摘されたのは3月30日で、イラクの日報発見が小野寺氏に報告されたのはその翌日だった。3月は財務省の決裁文書改ざんが発覚し、公文書のずさんな扱いに批判が集まっていた。》


 社説のタイトルは「『イラク日報』今ごろ発見 説明のつじつまが合わぬ」だが、月末の予算成立後まで発見報告を「待っていた」とすれば説明のつじつまは見事にあう。


 こういうのを表現する言葉ってなんだっけな、、、


 あ、思い出した!


「忖度」だ。



(プチ鹿島)

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