<大阪・ミナミ>違法カジノ急増 パソコンでお手軽開設

4月17日(火)14時0分 毎日新聞

観光客らでにぎわうミナミの繁華街(写真と本文は関係ありません)=大阪市中央区で

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 大阪市の繁華街・ミナミで違法カジノ店が急増している。関係者によると、パソコンさえあれば開設できる「インターネットカジノ」が多く、全国的に増えているという。参入を巡って暴力団関係者らの襲撃事件に発展するケースも出てきた。違法カジノの実態はどうなっているのか。夜のミナミを歩いた。


 ◇「会員制」扉の奥


 「飲み屋どうですか? それともギャンブル?」


 今月中旬の午後10時ごろ。ネオンがともる飲食店街を歩くと、カジュアルな私服姿の若い客引きの男性が声をかけてきた。「『インカジ』『闇スロ』『めくり』、何でもありますよ」。インカジは、インターネットカジノの略で、闇スロは賭博性の高い非合法のスロット店。めくりはバカラの隠語だという。


 「問題ないのか」と尋ねると、男性は笑い飛ばした。「警察に聞かれても、『ゲーム喫茶だと思った』と言えばセーフだ」


 別の客引きの男性によると、手軽さで人気なのがネットカジノだ。雑居ビルの一室にある「会員制」と書かれた扉を開けると、カーテンで仕切られた暗いスペースに数台のパソコンが並ぶ。ゲーム画面には、客が店員に支払った現金が残高表示され、ルーレットやバカラなどに賭けられる。支払額の5%を次回用の「サービス券」として渡し、客を囲い込んでいるという。


 ただ、どの店も健康保険証や名刺などを客に提示させるのが原則。男性は「私服警官が内偵していないかチェックするため」と理由を明かした。


 大阪府警によると、近年はネットカジノの割合が多く、捜査関係者は「人件費や特別な設備などの経費がかからないからでは」と分析。「サラリーマンも多く利用しているが、違法賭博なので絶対に行ってはいけない。必ず損をする」と語る。


 ある暴力団幹部は「ネットカジノは効率のいいビジネス。ミナミで何店舗あるか把握できないぐらい」と話す。数カ月ごとに店を移転させ、摘発を逃れているという。ただ、利権の拡大にはトラブルが伴う。幹部は「対立組織の収入源を減らすため、不良グループの『半グレ』を使ってライバル店を襲撃させる暴力団もいる」と声を潜めた。


 ◇バドミントン選手の利用も問題に


 違法カジノ店を巡っては最近、バドミントンの日本代表選手らが利用していたことが問題になった他、暴力団関係者が逮捕されるケースも相次いでいる。


 2016年4月、リオデジャネイロ五輪で代表入りが確実視されていた桃田賢斗選手(23)が東京都内の違法カジノ店で賭博をしていたことが発覚。所属するNTT東日本では他の7選手も店に出入りしていたことが分かり、日本バドミントン協会は出場停止などの処分にした。


 警視庁はこの店を15年4月に摘発。賭博開張図利容疑などで逮捕された6人には指定暴力団住吉会系組幹部も含まれていた。和歌山県警も16年8月、ネットカジノ店から「みかじめ料」を受け取ったとして和歌山市内の指定暴力団山口組系組長ら5人を逮捕した。


 一方、ネットのカジノサイト運営者が逮捕された例もある。京都府警は16年6月、大阪市天王寺区の事務所でサイトを運営していた男ら5人を常習賭博の疑いで逮捕。サイトには計9511人が会員登録し、約19億円が口座入金されていたという。


 大阪府でも近年、賭博の検挙者が増えており、1年半ほどで2億円以上を売り上げていた店もあった。

毎日新聞

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