春の花粉飛散予測(第6報) スギ・ヒノキ花粉シーズン終了へ 大阪は近年で最多飛散
2025年4月18日(金)11時0分 tenki.jp
今日18日(金)、日本気象協会は2025年春の花粉飛散予測(第6報)を発表しました。スギ・ヒノキ花粉シーズンはまもなく終了しますが、5月上旬ごろまで風の強い日などは飛散に注意が必要です。また、今年の飛散量(速報値)は、大阪では例年の2.3倍と、最近10年で最多となりました。一方、北海道のシラカバ花粉の飛散は大型連休ごろに本格化する予想です。
スギ・ヒノキ花粉の飛散はまもなく終了
スギ、ヒノキ花粉シーズンは、4月中旬になり、九州から東北で終盤を迎えています。
九州では4月上旬までにヒノキ花粉のピークがほぼ終了し、中国、四国から東北にかけての広い範囲も4月中旬まででスギ、ヒノキ花粉のピークを終える見込みです。
東海では4月半ばを過ぎてもヒノキ花粉が非常に多く観測されている所がありますが、4月下旬には減少し、各地でスギ、ヒノキ花粉の飛散は終息に向かうでしょう。ただ、5月上旬ごろまでは各地で花粉がわずかに飛ぶ日がある見込みです。特に、風が強い日などは飛散量が多くなることもあります。花粉に敏感な方は、気象情報や花粉情報を確認して、もうしばらく対策を行いましょう。
東京都千代田区のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況(日本気象協会観測)
東京都千代田区(日本気象協会観測)では、今年のスギ花粉は2月15日に飛散開始となりました。その後は気温が低めに経過したことなどから花粉の飛散が少ない日が10日間ほど続きましたが、春本番の暖かさとなった2月終わりにスギ花粉の飛散は増加し、花粉が非常に多く飛ぶ日が続くピークの時期に入りました。また、ヒノキ花粉は3月19日に飛散開始し、3月下旬はスギとヒノキのピークが重なって、極めて多くの花粉が観測される日が1週間近く続きました。スギ花粉は3月終わりにピークを越え、その後、4月半ばにかけて雨の降る日が多かったことから、ヒノキ花粉の飛散は抑えられ4月中旬にピークを終えました。
ページ最上部の図は、東京都千代田区で1cm2に観測された花粉の数を累計したグラフです。過去3年(2024年、2023年、2022年)と比較して示しています。今年(橙色)は、2024年(濃い緑色)や2023年(緑色)と比べると累計飛散量の増加するペースは遅く、2月が低温だった2022年(薄い緑色)と似たペースで経過しました。4月15日までの累計飛散量は3,661個となっています。例年、この時期までに総飛散量の95%程度が飛び終わることから、今年も残りはあと5%ほどと予想され、総飛散量は2022年と同じくらいで、例年よりやや少ない見込みです。
スギ・ヒノキ花粉飛散量の速報値(大阪 4月15日まで)
日本気象協会の観測によると、今年4月15日までのスギ、ヒノキ花粉飛散量は、大阪市では例年の2.3倍、昨年(2024年)に比べると5.1倍と非常に多くなりました。最近10年では最も多くなっています。東京都千代田区では例年および昨年の7割程度となりました。
図は、大阪市と東京都千代田区の直近10年と今年(4月15日まで)の花粉飛散量を示したグラフです。
大阪市で、例年および昨年に比べて非常に多くなった理由は、猛暑の翌年となったことと、昨年の飛散量が例年を大幅に下回ったことが重なったためと考えられます。この結果は、日本気象協会の飛散量予測とも一致しました。
スギ・ヒノキ花粉飛散量の速報値(東京 4月15日まで)
一方、東京都千代田区は、日本気象協会の飛散量予測では例年および昨年よりやや多い(6,000個)とみていましたが、予測より少ない結果となる見通しです。予測より少なくなった理由は、スギの花芽の生成が予想より少なかった可能性があることと、飛散のピークの時期にまとまった雨や、雪の降った日が多く、飛散量が抑えられたことが考えられます。東京では、3月上旬から4月上旬にかけて日降水量が10mm以上となった日数が、今年は10日と平年の2倍近くありました。
シラカバ花粉の飛散予測(北海道)
北海道のシラカバ花粉は、札幌など多くの所で4月下旬に飛散開始となる見込みです。5月にかけて飛散が続くでしょう。大型連休には本格的な飛散となる所が多い見込みです。シラカバ花粉に敏感な方は万全な対策をしてお過ごしください。今シーズンのシラカバ花粉の飛散量は、例年よりやや多い見込みです。昨シーズンの飛散量が非常に多かったことから、昨シーズンに比べると少ないでしょう。
用語の説明
【花粉の種類について】
九州から東北はスギ・ヒノキ、北海道はシラカバ花粉です。
【飛散時期に関する言葉の説明】
飛散開始日: 1 cm2あたり1個以上の花粉を2日連続して観測した最初の日
ピーク開始(終了)日
: スギ花粉は1 cm2あたり50個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日
: ヒノキ花粉は1 cm2あたり30個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日
【気象に関する言葉の説明】
平年: 1991〜2020年の平均値
【その他の言葉の説明】
例年: 2015〜2024年の平均値