萩生田発言&衆院補選惨敗でW選が急浮上 二階幹事長「総理が『やる』と言えば当然やる」

4月22日(月)6時0分 文春オンライン

 にわかに衆議院の“早期解散論”が浮上している。きっかけは、4月18日に保守系のインターネット番組『真相深入り! 虎ノ門ニュース』に出演した自民党の萩生田光一幹事長代行の発言だった。



萩生田光一自民党幹事長代行 ©文藝春秋


「ここに来て、日銀短観も含めて(景気が)落ちていますよね。この先、(景気は)危ないぞってところが見えてきたら、崖に向かって皆を連れて行くわけにはいかないんで、僕はまた違う展開はあると思います。(増税を)止めるとなればね、これは国民の皆さんの了解を得なければならないから、『信を問う』ということになりますよね」


 安倍晋三首相の最側近と言われる萩生田氏が「消費税凍結」を示唆するような発言をしたため、永田町には波紋が広がった。


安倍首相は衆議院の早期解散に踏み切るのではないか——」


立憲民主党は「解散を受けて立つ」


 今年7月には参議院選挙が控えている。かねてから、「安倍首相は参院選に合わせて衆院を解散し、衆参W選挙にするのではないか」という見方はあった。だが、当の官邸サイドは“衆参W選”を臭わせるような発言や言動をしていなかった。そうした中で突如飛び出した萩生田発言。ぼんやりしていた“衆参W選”の可能性がここに来て明確に水面下から顔を出したわけである。


 萩生田氏の発言に、野党も激しく反応している。国民民主党の玉木雄一郎代表は同日、ツイッターに〈消費税先送りを口実にした衆参同日選の可能性が高まったと言える〉などと書き込み、立憲民主党の福山哲郎幹事長もツイッターに〈われわれとしては、解散を堂々と受けて立つ用意がある。野党で協力して、安倍政権を倒す絶好の機会を得たと考えている〉と投稿した。


 仮に衆院解散、総選挙となった場合、もっとも注目が集まるのは、牽引役である幹事長の存在だ。特に、メディアは二階俊博・自民党幹事長の言動を追いかける。最近、二階氏の言動に注目が集まっているが、衆参W選挙についてはどう考えているのか。



「総理の判断に従うのは当たり前」


『文藝春秋』5月号に掲載されたインタビュー(「安倍後継は菅官房長官も十分資格あり」)で、聞き手の政治解説者・篠原文也氏に「自民党が参院選に勝利する戦略として『衆参ダブル選挙論』が浮上しています」「本当に勝てるならその手もあると思いますが、小選挙区制度下では、衆参が一気にひっくり返り、政権交代につながりかねないリスクも伴います」と問われた二階氏は、次のように答えている。


「衆参ダブル選挙だからどうのというテクニカルなことには全く期待していません。そもそも『ダブル選挙で助かろう』という発想自体がおかしいし、残念ですね。筋で言えば、やはり参院選1本で真正面から突き進んでいくべきです」



 このように釘を刺しつつも、二階氏はこうも明言している。


「とはいえ、総理が『やる』と言えば、我々は総理の下にあるのですから、当然(衆参W選を)やりますよ。総理の判断に従うのは当たり前のことです。いずれにせよ、『やる』も『やらない』も現時点で予言することはできません。何が起こるかなんてわかりませんから」


 萩生田氏は、今回の発言を「個人の見解を申し上げた」と釈明している。しかし、額面通りに捉える人は少ない。萩生田氏は安倍首相の側近中の側近である。少なからず官邸の意向を汲んだものと考えるほうが自然ではないだろうか。萩生田発言を受けて、菅義偉官房長官は19日の記者会見で「リーマンショック級の出来事がない限り、10月に引き上げる予定だ」と述べ、安倍首相本人も20日に大阪で行った街頭演説で「10月には幼児教育、保育の無償化を行います」と“増税延期”については否定してみせた。


 ところが21日夜に出た大阪・沖縄の衆議院補選の結果を受けて自民党に衝撃が走った。事前の世論調査でも苦戦が報じられていた通り、自民党の公認候補がいずれも落選したのである。夏の参院選の“前哨戦”と位置付けられていただけに、この2敗は大きな痛手となった。早急な立て直しのために、安倍首相は次の一手をどう打つのか——。永田町に政局の風が吹きつつある。


◆◆◆


 ポスト安倍問題、憲法改正問題、日韓問題など現在の政治的課題について二階俊博幹事長が率直な思いを明かした「安倍後継は菅官房長官も十分資格あり」は、『文藝春秋』5月号に掲載されている。



(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年5月号)

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