国民民主、候補者擁立報道でまた波紋 須藤元気氏「反ワク」発言に元候補者医師も怒り「人の命とか口が裂けても言うなよ」
2025年4月24日(木)11時30分 J-CASTニュース
国民民主党が2025年4月23日、元参院議員で元格闘家の須藤元気氏と元参院議員で医師の薬師寺道代氏の2人を、夏の参院選挙の比例代表に擁立する調整に入ったとする報道があった。
SNSでは、須藤氏の過去のワクチンをめぐる発言が、党の方針と反するのではないかとの指摘が相次いでいる。過去に国民民主党から出馬した医師も、怒りの声をあげている。
薬師寺氏は過去「医師としての活動に専念」で衆院選への出馬を断念
須藤氏は、総合格闘家として活躍したほか、パフォーマンスユニット「WORLD ORDER」のメンバーとしても活動している。
19年7月の参院選に立憲民主党から出馬し初当選した須藤氏は、20年の東京都知事選の対応をめぐり同党を離党し、無所属となった。24年4月の衆議院東京15区補欠選挙では3万票近くを集めたものの、次点で落選。同年10月の衆院選でも1,125票差の僅差で敗れた。
薬師寺氏は10年の参院選、11年の愛知県知事選にみんなの党公認候補として出馬するも落選。13年の参院選で初当選を果たした。
19年には自民党に入党し、次期衆院選への立候補を目指すことを発表。しかし、21年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、本業の医師としての活動に専念するとして出馬を取りやめた。24年10月の衆院選には自民党から比例候補として出馬するも、落選していた。
毎日新聞は23日、国民民主党が須藤氏と薬師寺氏をともに夏の参院選比例代表として擁立する調整に入ったと報じた。
SNSでにわかに注目を集めたのは、須藤氏による過去の発言だ。
「現在も接種が継続されている状況には疑問を感じざるを得ません」
須藤氏は、新型コロナウイルスのワクチン接種やマスク着用などの感染対策をめぐり、否定的な立場を示してきた。
22年にも、「日本も出口戦略を考えなければいけませんが、政府はまだマスクとワクチンを推進するんでしょうか?」などとして断続的に感染症対策への批判を続けていた。
23年10月には、「世界中でストップしたワクチン接種をわが国だけが続けていると言う異常事態」。24年9月には、「死亡事例や健康被害が確認されているのに、なぜリスクを冒してまで政府はワクチン接種を推奨し続けるのでしょうか」「リスクを考慮し、個々でも慎重に判断して頂きたいです」と主張。
25年4月5日にも、接種後の健康被害報告に関する報道を引用し「報告されている健康被害の数を考えると、現在も接種が継続されている状況には疑問を感じざるを得ません」としていた。
「国民民主は二度と医療や医療費の話をするな」
一方で国民民主党は、ワクチン接種を含む新型コロナウイルス対策に力を入れてきた。22年1月の発表では、「ワクチンの効力を科学的に検証した上で、ワクチンの速やかな3回目接種の実施を求めるとともに、地方自治体や国民に対するワクチン接種に関する情報発信の強化を求めた。あわせて、3回目接種における副反応の検証などを要請した」としている。
ワクチンに否定的な須藤氏と、医師としての業務を優先し政治活動を一時休止した薬師寺氏の同時擁立に、SNSでは「須藤氏と薬師寺さんの主義主張は並び立つのでしょうか...」「なんでよりによって反ワクチンの陰謀論に毒されてる人を擁立するんや。国民、筋悪過ぎる」など、疑問の声が相次いだ。
22年の参院選で国民民主党から比例代表で立候補し、落選した医師の上松正和氏は、須藤氏の擁立方針を伝える記事を引用し「国民民主は二度と医療や医療費の話をするな。人の命とか口が裂けても言うなよ」と怒りをつづっている。