悲惨すぎる籠城生活……告発サイト「ウィキリークス」創設者の末路

4月26日(金)11時0分 文春オンライン

 在英エクアドル大使館に7年近く籠城していた告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジ被告(47)がついに外界に引きずり出された。ロンドン警視庁に逃亡容疑で逮捕されたアサンジの顔はむくみ、髭はぼうぼう。かつては支援者の母性本能をくすぐった優男の面影は一切なかった。



逮捕時には「英国は抵抗せよ」と叫んだ ©共同通信社


 アサンジが米機密文書を暴露し、デジタル・ジャーナリズムの到来を告げたのは2010年のこと。だが、女性2人へのレイプ容疑をかけられ、米国への引き渡しを怖れた彼は反米エクアドルの大使館に逃げ込んだ。


 その籠城生活は悲惨を極めた。大使館は館内に寝室と仕事場を急造したが、ベッドは床に敷いたマットレス。台所は狭く、便所と浴室は共用。気晴らしに猫を飼い始め、廊下でスケートボードやサッカーをしたり、走ったり、支援者から贈られたランニングマシンで1日120キロ走ったこともあった。だが、太陽を浴びられたのはバルコニーから声明を発表した僅か20分だけ。深刻な日照不足は健康を蝕み、心肺機能が低下、血圧にも異常を来し、アサンジの母国オーストラリア政府が正式に抗議したほどだ。



トイレを詰まらせるという抗議行動


 しかしそのエクアドルとの関係も、2年前に誕生した同国のモレノ大統領が反米から親米路線に転換したことで次第に悪化。反発したアサンジは大便を壁になすりつけ、便所を詰まらせるなどして抗議を重ねた。逮捕の決定打は、国民には緊縮を強いるモレノ大統領が豪華ホテルの1室でロブスターを注文して寝転がる写真が流出したこと。アサンジが背後にいるとモレノ氏は疑っていたという。7年弱の警備費用は英国側1300万ポンド、エクアドル大使館側500万ポンドの約26億4千万円に及んだ。


 今後の注目は、ロシア疑惑との関係だ。米大統領選でロシアがハッキングしたクリントン候補の電子メールを暴露した際は、「ウィキリークスを愛している」と発言していたトランプ大統領。モラー特別検察官の捜査報告書はロシアとトランプ陣営の共謀を認定しなかったが、この逮捕劇で疑惑が蒸し返される可能性も否定できない。トランプ氏はウィキリークスについて一転、「何も知らない」と予防線を張っている。



(木村 正人/週刊文春 2019年4月25日号)

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