堀江貴文、村上世彰と「本格的に動く」SBI北尾吉孝“フジテレビの敵”で20年ぶり見参の全内幕
2025年4月26日(土)8時0分 文春オンライン
〈 《フジテレビ問題》石橋貴明が謝罪、なにをした? 週刊文春が報じた「フジテレビ女性社員への下半身露出」事案 〉から続く
ホテルの会場内には、モーツァルトのフルート四重奏曲が優雅に流れていた。
4月17日午後1時半、ふと腕に光る金色の高級時計に目を向け、司会者を指差したのは、金融コングロマリットを牛耳るグループの総帥。開始のアナウンスと共に歩き出し、壇上の椅子に座る。そして、一際大きな声でこうぶち上げた。
「第三者委員会の報告書で僕は堀江君に悪いことしたな、と。20年前の判断は、珍しく外れていた。そういう中でいよいよ本格的に動くことを決意したんです」

因縁の「堀江君」だけではない。「村上さん」の名前も飛び出した。
「村上さんも随分買われて、5%以上お持ちになり、更にそこから買い進められているということですから」
声の主は、SBIホールディングスの総帥、北尾吉孝会長兼社長(74)。かつて“敵”だったライブドア元社長の堀江貴文氏(52)や、旧村上ファンドを率いた村上世彰氏(65)と共に、「本格的に動く」と宣言したのだ。狙いはもちろん、フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)である。
最終利益は前期比73.6%減
中居正広(52)の女性トラブルに端を発したフジHDを巡る問題は、未だ収束の気配を見せていない。
今年3月期通期決算はCM差し止めの影響で、最終利益が前期比73.6%減の98億円に落ち込む見通しだ。3月27日には、グループ代表の日枝久氏(87)が退任の意向を表明。31日には、第三者委員会で中居の「性暴力」が認定されるに至った。ただ、苦境とは裏腹に株価は急騰。年明け時点では1600円台で推移していたが、直近では3000円台に突入している。
遡ること20年前。現在と同様にフジテレビが市場を揺るがしたのが、2005年のライブドア事件だ。
20年の時を経て“フジの救世主”が豹変
「資本構造上、親会社のニッポン放送株を買い占めれば、子会社のフジテレビを掌握できる弱点がありました。村上氏はその点を突き、堀江氏も後に続いてライブドアの議決権比率は過半数目前に達した。そこで、フジの“ホワイトナイト”として登場したのが、北尾氏です。結果、フジとライブドアは資本・業務提携を締結して和解。ところが、翌06年1月に堀江氏が証券取引法違反(風説の流布など)容疑、6月には村上氏も同法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕されたのです」(社会部デスク)
その後、フジは08年に認定放送持株会社となり、フジHDと商号を変更。特定企業の影響を防ぐために議決権の保有割合を3分の1以下に制限できるようになった。日枝氏の盟友で、監査役の尾上規喜(きよし)氏(90)は「買収防衛策でした」と認めた上でこう振り返った。
「外資規制があるように、基幹企業を保護すべきという考え方がある。北尾さんは堀江氏に怒っていたし、それでこちらは助かったのは助かったけど」
しかし、20年の時を経て、“フジの救世主”は豹変する。SBI傘下のレオス・キャピタルワークスが今年2月までに約5%分のフジHD株を取得。更に米ダルトン・インベストメンツ(約7.2%保有)は4月16日、12人の取締役候補を発表した。その1人として翌17日、記者会見に踏み切ったのだ。
4月23日(水)正午配信の「 週刊文春 電子版 」および24日(木)発売の「週刊文春」では、北尾氏が堀江氏に入れ込む様子や村上世彰氏とフジテレビの因縁、筆頭株主である村上家長女の“壮絶な恩讐”、村上氏への直撃などを詳しく報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月1日・8日号)