「SMAP稲垣吾郎の逮捕」を“どの局も報じなかった理由”とは…芸能リポーター梨元勝(享年65)が生前に漏らした「芸能界のタブー」

2025年4月27日(日)18時10分 文春オンライン

〈 「愛人を殺害した演歌歌手」と「被害者の父親」が並んで記者会見したことも…視聴率のためなら“何でもアリ”「昭和のワイドショー」の衝撃 〉から続く


 かつて視聴率のためなら、何でもやったテレビのワイドショー。ところが、何でもござれのワイドショーにも触れてはいけないタブーが…。生前、芸能リポーターの梨元勝が漏らした「芸能界のタブー」を、報道カメラマンとして活躍する橋本昇氏の新刊『追想の現場』(鉄人社/高木瑞穂編)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 最初から読む )



生前の梨元勝氏が漏らした「芸能界のタブー」とは? ©橋本昇


「ジャニタレをいじると、出演を断ってくる」


SMAP」の稲垣吾郎が警察官に免許確認を求められ、逃走して逮捕されるという事件があった。週刊誌はこの事件を報道したが、ジャニーズに忖度したワイドショーは取り上げなかった。


 この件を入院中の梨元氏に聞くと、「ジャニタレのゴシップをいじると、ジャニー喜多川が所属のタレントの出演を断ってくる。それを恐れて民放は知らんふりをするわけだ。それを僕はおかしいと言っているんだが……」


 事実、梨本氏はワイドショーでジャニーズ事務所のタレントを特別扱いにしなかった。あのジャニー喜多川の少年への性加害事件を10年以上前に唯一レポーターとして取り上げていたのが彼だった。日本のマスメディアで取り上げたのは『週刊文春』だけ。イギリスの「BBC」が取り上げるまで他は知らん顔だった。


梨元勝の最後


 果たして梨元氏は、ジャニーズ事務所のネタを取り上げたばかりにジャニー喜多川ににらまれ、仕事を減らした。


 この世界に「持ちつ持たれつ」のヨイショ体質があるのは周知しながらも梨元氏は自らの芸能ジャーナリストとしての姿勢、そして信念を貫いたと言っていいだろう。


 入院中の梨元氏は、自分が末期がんであることは百も承知していただろう。身近に迫った死をどう捉えているのかはわからなかった。聞くこともできなかった。ただ私の前の彼はひっきりなしに電話して、何やら忙しそうに仕事の打ち合わせをしていた。


 そしてその2カ月後、梨元氏は静かに息を引き取った。65歳だった。


(橋本 昇,高木 瑞穂/Webオリジナル(外部転載))

文春オンライン

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