「肉フェス」会場前で血の色に染まって「動物の死体」アピール ビーガン団体の行動が波紋、目撃者が語った一部始終
2025年4月30日(水)18時19分 J-CASTニュース
ステーキなどの肉料理が楽しめる東京・お台場のイベント「肉フェス」の会場前で、ビーガン(完全菜食主義)の活動をしている女性3人が血の色に染まった姿でパフォーマンスを行い、波紋を広げている。
集まった人たちからは、女性らを揶揄する行為も一部で出たほか、警察が出動する事態にもなった。イベント出入口につながる現場の通路は、都の公園の一部になっているが、どんな状況だったのか、イベントの参加者に話を聞いた。
「パッと見、何かの事件じゃないですか」
肌を露出させた女性らは、食品トレーを模した大きな容器内にラップされて仰向けに横たわり、血の色に染まっている。
ラッピングには、「肉:動物の死体」と赤字で強調されたシールが貼ってあり、「本体価格5050円」とあった。その脇には、「動物の運命に共感しよう ヴィーガンでいこう」と訴えが出ていた。別の女性が、同じフレーズのパネルを持って道行く人々にも呼びかけていた。
この活動は、米国を中心に動物愛護などの活動をしている「PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)」のアジア支部(本部・香港)が2025年4月26日、肉フェスの初日に会場前で行った。ここは、都が土地を所有するお台場のシンボルプロムナード公園内にある。
PETAアジアの公式Xでも同日、女性らによるパフォーマンスの様子を撮った動画が投稿され、「PETAサポーターは巨大な肉トレーに横たわり、『人間もほかの動物も切り刻まれて皿に載せられたくない』ということを来場者に伝えました」などと報告した。
この日は、家族連れらが肉フェスに行くため現場を通りがかっており、一部では、女性らの前でわざと肉を食べて揶揄するような行為が行われ、Xで写真がいくつか投稿された。
X上では、「不気味な展示」「パッと見、何かの事件じゃないですか」などと驚く声が上がっており、現場には警察も駆け付け、女性らに事情聴取する様子も写真投稿された。
肉フェスを訪れた「ペイまろ」さん(@Isawajo_802)は26日、「なぜ人の楽しみに水を差すのか...?どこでもできるのに...」とXでつぶやき、活動に疑問を呈した。
「血に見立てた赤い塗料を体に塗って横たわっていた」
ペイまろさんは4月28日、J-CASTニュースの取材に応じ、女性らは、血に見立てた赤い塗料を体に塗って横たわっていたといい、そのことについてこう述べた。
「周りの人からすれば、このような過激な表現は不快に思われる方も少なくないでしょう。もちろん家族連れの方もいますのでお子さんの心理的な影響も多少なりともあると思います」
女性らを揶揄する行為も一部であるなどして、警察が出動した状況については、こう説明した。
「警察の方は双方の紛争を起こさないように抑止のために存在していました。また、彼女らの前でケバブを食べている活動者もいたので、その方とお話しをしているのは目にしました」
挑発行為にしびれを切らした女性の1人は、警察に「どかしてください」と訴えかけていたが、「警察は特に何もしてなく、彼女をなだめているように見えました」という。ペイまろさんは、「肉フェスなので肉を食べる事はOKですが人を不快にさせる事はアウトです。去年コミケでも同様の件がございましたが、"余韻"を壊す行為は犯罪ではないだけで大罪だと思っています」と訴えている。
実は、PETAの本部がある米国では、1月ごろから大手食品スーパー前で、血の色に染まった男女が巨大な肉トレーにラップされて横たわり、自らの主張を訴える活動を繰り返している。日本では、肉フェスに合わせて、サポーターらが同様な活動を展開したらしい。
産経新聞の4月27日付ウェブ版記事によると、今回のパフォーマンスに対し、イベント参加者が通報し、警察官が駆け付ける事態になった。その後、女性らは立ち去り、トラブルは起きていないと警察が説明したという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)