「お買い得」と「価格上昇」に分かれる!? 5月の野菜予報
2025年5月1日(木)12時30分 ウェザーニュース

2025/05/01 12:30 ウェザーニュース
4月は雨や寒暖差はあったものの全体に暖かく、庭木や街路樹が日々新緑に彩られていくのを目にしたのではないでしょうか。野菜の生育や価格動向も、天候が大きく影響します。天候に恵まれよく育っている野菜、気温の上昇が心配な野菜などあるようです。
スーパーマーケット「アキダイ」(本社・東京都練馬区)の秋葉弘道社長に、5月の野菜について教えていただきます。
5月に値下げが期待できる野菜は?
毎日のように食卓に上る野菜に嬉しい動きがあります。
「基本的にいいのが、『夏野菜』と呼ばれるナス、キュウリ、トマトなどです。5月いっぱい春ものは結構期待していいと思います。
ずっと高値だったピーマンもこの後は落ち着き、どんどん下がっていくでしょう」(秋葉社長)
一時は高値が話題となったキャベツもよさそうです。
「キャベツも今は問題ないですね。うちの店でも毎日すごい勢いで売れています。
不安があるのは5月の天候です。去年はGWに異常な高温の影響でダメになってしまって、5月の後半にかけてすごく高くなったんですね。春ものは25℃以下ならよいですが、30℃になると悪影響が出てしまいます。
ダイコンもキャベツと産地が重なるので一緒です。今は生育にも問題がなく、だいぶ価格も下がってきています。ハクサイもいいですね。価格が平年並みになりました」(秋葉社長)

今は高値、またはGWに高値となっても、その後、値下がりが予想される野菜もあります。
「4月の終わりに高かったニンジンは、決して安くはないが下がってはきています。いずれ、5月の後半ぐらいには平年並みになるでしょう。
レタスはGWで1回少し値上がりするかもしれませんが、下がってきます。葉菜類は、5月前半は高めでも後半下がるイメージです」(秋葉社長)
5月に高値が心配な野菜は
家庭の定番野菜であるタマネギとジャガイモがよくない予想となっています。
「一番心配なのはタマネギです。理由としては、まず全体量が少なくなっていること。北海道産が終わり、静岡あたりの新タマネギは順調でしたが、残念なことに佐賀や淡路(兵庫県)など西の方の産地の出来が悪いのです。冬に低温すぎたなど天候の影響で生育不良が起きたのです。
2つめは人的要因ですが、大阪・関西万博です。例えば東京の方で欲しくても、関西で需要があるので止まってしまう。5月前半はそうでもなくても、日に日に価格が上がっていくと思います。
ジャガイモは、5月前半は高くて後半になったら少し落ち着いてくる感じでしょう。ただ、今非常に高いのが少しずつ下がるのであって、平年並みにはならないでしょう」(秋葉社長)
季節を味わう野菜は?
5月に楽しみな野菜はどうでしょうか。
「今年は天候の影響でトウモロコシがいいですね。前進出荷で流通量が増えるのです。GWからも暖かければ、低温や日照不足などにならないかぎり、非常にいい状態が続くでしょう。
5月はラッキョウが始まります。今年の収穫はあまりよくなさそうで、量が少なく価格も平年より高めになると思います。ラッキョウを漬けたい人は、早めに。5月の後半に漬けるのがよいでしょう」(秋葉社長)
暖かい日が続いていますが、この夏も猛暑が予想されています。よく育ったおいしい野菜を食べて夏に備えましょう。
取材協力
スーパーマーケット「アキダイ」(本社・東京都練馬区)