映画再撮影は1億円超え…『かぶき手帖』に復活でも市川猿之助(49)に重くのしかかる“賠償金”

2025年5月12日(月)18時0分 文春オンライン

 4月某日、初夏を思わせる太陽が降り注ぐ都内の住宅街。白亜の豪邸に1台の車が停まる。約2年前、悲劇の現場となったその家から姿を現し、足早に車に乗り込んだのは、4代目市川猿之助(49)だった——。



復帰への道は険しい


◆◆◆


事件後も歌舞伎界に関わり続けていた。


「2023年5月18日、週刊誌で自身のハラスメントが報じられることを知った猿之助は、将来を悲観して父親の市川段四郎、母の3人で一家心中を図った。両親は死亡したが、猿之助だけが生き延び、自殺ほう助の疑いで逮捕。同年11月に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた」(スポーツ紙記者)


 梨園のスターから一転、表舞台から姿を消した猿之助。事件後は、父親名義の自宅に戻り釈放後に飼い始めた犬とともにひっそりと暮らしていたが、水面下では歌舞伎界に関わり続けていた。


「昨年冬には従兄の市川中車の息子・團子が主演したスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』で、一対一の演技指導を務めた。また夏には、自宅近くの公園で弟子の市川段一郎に稽古をつける姿を『週刊女性』がキャッチ。台本を片手に、身振りを交え、熱心に指導していたそうです」(同前)


猿之助周辺での“変化”


 だが近隣住民によれば、


「最近は、猿之助さんの姿を全く見かけないですね。以前は自転車に乗って自宅近辺を走る姿を見かけたのですが……」


 実は今年に入って、猿之助周辺ではもう1つの変化が。関係者が語る。


「年始に刊行された『かぶき手帖 2025年版』に、猿之助さんのページが復活。写真とともに、《人気、実力、才気煥発と三拍子揃った役者である》と紹介されたのです。名跡を返上するのではと言われたこともあったが、ファンなら必ず購入するというガイドブックへの掲載を了承したのは、復帰への布石なのか……」


猿之助の自宅を訪れた


 警察の取調べに「許されるのであれば歌舞伎の舞台に立ちたい。歌舞伎で償いたい」と供述していたという猿之助。執行猶予が明ける3年後の秋へ向け、「復帰に向けた稽古に勤しんでいるのではないか」(前出・関係者)とも噂されるが、果たして真相は——。猿之助に尋ねるため、自宅を訪れたところ、出くわしたのが冒頭の場面だ。


 黒いキャップに、黒の上着、ズボンという全身黒ずくめの出で立ちで、関係者らしき男性が運転する車にそそくさと乗り込んだ猿之助。誰かと会う予定か、あるいは稽古なのか……。


制止するポーズを見せる。


 車が戻ったのは、約5時間後。助手席の猿之助は、カラーレンズのメガネにマスク姿。表情は窺えないが以前報じられたような瘦せ細った印象はなく、顔色はよく健康的に見える。車の扉が開いたところで声を掛けると、手のひらをこちらに向けて制止するポーズを見せる。


——事件から2年が経つ。


「ここ私道だから、ダメですよ」


 よく通る力強い声で諭すようにそう言うと、自宅へと姿を消したのだった。


復帰を望む声は根強い


「事件前の猿之助さんは、低迷が続く歌舞伎界で数少ない集客力を持つ役者。『歌舞伎界になくてはならない存在』と復帰を望む声は根強い」(前出・関係者)


 一方、猿之助には事件のせいで公開延期と再撮影を余儀なくされた天海祐希主演の映画『緊急取調室 THE FINAL』などの賠償金が重くのしかかる。


「昨年、代役に石丸幹二さんを立てて再撮影が行われたが、その追加制作費は1億円超え。それに伴い興行収入や動員の目標が上方修正されるなど、厳しい状況に立たされている。テレ朝は今年10月クールで4年ぶりに『キントリ』の新シリーズを制作し、映画の動員に繋げるつもりだが、回収できるかどうか」(テレビ局員)


 歌舞伎を製作主催する松竹に聞くと、「『かぶき手帖』への掲載にご質問(復帰)の意図は含まれていません」。


 両親の3回忌を目前に、事件の余波は消えない。メガネのレンズ越しに垣間見た猿之助の瞳には、鋭い光が宿っていた。


(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月1日・8日号)

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